ミステリーは好きだけど、どぎつい描写があるのは苦手。おまけに食いしん坊! そんなあなたにオススメ。芦原すなお『ミミズクとオリーブ』シリーズをご紹介します。
名探偵は理想の妻ナンバーワン?
シリーズ第1弾。 |
まず最初に収録された「ト・アペイロン」は春の出来事。冒頭で、「ぼく」の妻は、チラシ寿司を作っています。
チラシと言っても、酢飯の上に生魚を載せる江戸前のチラシではない。エビと野菜を煮た具を酢飯に混ぜ込むもので、バラ寿司とも言う。
という感じで料理の説明が必ずつくのが、このシリーズの特徴。登場人物が香川の出身なので、チラシ寿司の他にもイリコ飯や地元でしか売ってないお好み焼きソース、小さなカレイの干物「デビラ」など、素朴で美味しそうな讃岐名物が登場します。
シリーズ第2弾。 |
今回の新刊で妻が解決するのは、殺された詩人の遺言状と消えた凶器の謎(ト・アペイロン)、側に毒入りリンゴが置かれた死体の謎(NY・アップル)、たてつづけに行方不明になった老人と奇妙な暗号の謎(わが身世にふる、じじわかし)など。いずれも話を聞いただけで、大体のことはわかってしまう。
シリーズ最新刊。相変わらず讃岐の郷土料理が美味しそう! |
でも、刺激が強いばかりが面白いミステリじゃないわけで。毎日のごはんのように飽きず、温かいお茶のように読むとホッと和める。そんなシリーズです。続刊も楽しみ!