シロアリの害と発生予防
シロアリは建築物、なかでも特に木材を好むため、木造住宅の構造体を食害されたときの被害がもっとも大きいと言えるでしょう。エサとなる木材に至る途中にあるコンクリートや金属、プラスチック等も「蟻道」づくりのために(食べられたわけではなくても)とりあえず齧られ、壊されたりするため、木造住宅に住んでいないからといっても無縁ではいられないといえます。芋、紙、畳、動物の屍骸等も食害されます。
シロアリは体表の皮膚がとても薄いために、「光・風・熱・乾燥」を嫌う性質があります。逆に言えば「暗くて空気が澱みジメジメした」環境を好むということです。床下が主に害されるのはそのためです。
シロアリ予防は、住宅新築時にこそ施す必要があります。主に、
- 建物下部の土自体を薬剤やシートなどで処理しておく
- 建物床下の通風が滞らないよう、基礎工事の際に工夫する
- 土台近くの木材は、シロアリの嫌うヒノキやヒバ、防蟻処理を行ったものにする
- 床下に木っ端などを置き去りにしない
などの「土壌処理」「木部処理」とも、建築業者と相談して滞りなく行っておきましょう。
また、既に建っている建物でのシロアリ発生を早期発見するには、
- 建物周辺の木立や門、杭、ウッドデッキなどに虫食い跡が見られないか
- 春先に飛散する羽アリを目撃していないか
- 浴室、浴槽などで落ちた「羽」を目撃していないか
- 廊下、洗面所、キッチン、日当たりの悪い畳部屋などの床が「フガフガ」していないか
- コンクリート布基礎の側面に、泥で出来たような妙な模様(蟻道)ができていないか
などに注意し、定期的にチェックしておく必要があります。
シロアリが発生したら?
もし住まいの中で発生しているようだと判断された場合には、あせらず(でも、なるべく速やかに)、自宅の施工業者、自治体の相談窓口などを通し信頼できる駆除業者を紹介してもらうなどして、状況をしっかり調査した上で、必要な処理を行うようにして下さい。
シロアリの害は、地震等災害時の被害を拡大する要素としても看過はできません。そのような不安を逆手にとった悪質な業者によるトラブルも後を絶ちません。特に「点検商法」と呼ばれる訪問販売業者には注意しましょう。
【参考サイト】
社団法人 日本しろあり対策協会