天童荒太『悼む人』

悼む人
<DATA>タイトル:『悼む人』出版社:文藝春秋著者:天童荒太価格:1,470円(税込)
ベストセラー『永遠の仔』から8年ぶりの単行本となった本書。

悲惨な事件が起こった現場を訪れ、亡くなった人の話をきき、ただ悼む。そのために職を捨て、旅を続ける青年・坂築静人(さかつきしずと)。彼とさまざまな人の出会いを描いた物語です。静人は故人の生前の様子を訊くときに、こんな質問をします。

彼女(彼)は、誰に愛されていたでしょうか。誰を愛していたでしょう。どんなことをして、人に感謝されたことがあったでしょうか。

彼は事件とは無関係ですから、当然、その発言は奇異なものとしてとらえられ、不審者扱いされたりもします。ところが、彼の言葉がメディアでは報道されないエピソードを掘りおこし、死者への見方を変えていく。

1人ひとりの人生が唯一無二であるという、著者のメッセージが前面にあらわれた作品です。

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