猫好きまっしぐら！傑作ネコ本あれこれ(4ページ目)

町田康『猫にかまけて』

＜DATA＞タイトル：『猫にかまけて』出版社：講談社著者：町田康価格：1,680円（税込）

著者の町田康はパンクロッカーであり、詩人でもある作家。彼の文章で描かれた猫たちは実に魅力的だ。

町田家には、気高いココア様と犬っぽいゲンゾーがいる。猫語の町田訳にまず爆笑。例えばココアは著者の腹の上でまどろむのを好む。その腹の寝心地が悪いと抗議するらしい。こんな感じで。

あなたいったい何を考えているの？　わたしが腹の上でまどろんでいるのよ。それをあなたがごそごそ動いたりそんなごわごわの服を着てたんじゃ意味ないじゃない。バカじゃないの？　あなたはいったいなんのために生きているの？　わたしを腹の上に載せるためでしょ？

人間の都合など意に介さないからこそ可愛い猫たちとの暮らし。そして、子猫ヘッケとの出会いと別れ、ヘッケの生まれ変わりのようなナナと同居するにいたるまでの経緯が綴られる。ヘッケとの最後の日々はつらいが、動物と生活をしている人、飼いたいなと思っている人は必読。

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