佐野洋子『100万回生きたねこ』
<DATA>タイトル:『100万回生きたねこ』出版社:講談社著者:佐野洋子価格:1,470円(税込) |
舞台はどこか、いつかわからない。100万回死んだことがあるねこがいた。王様の猫だったときも、どろぼうの猫だったときも、小さな女の子の猫だったときもあった。ねこは飼い主のことがちっとも好きではなかったし、死ぬのもへっちゃらだった。好きなのは自分だけだったからだ。
そしてあるとき誰のものでもなくなったねこは、白いねこに恋をする。
自分よりも大切な存在があらわれたとき、死の持つ意味が変わる。それを説明することなく、短い言葉と美しい絵で伝える。最後の一文が深い余韻を残す。
次ページで紹介するのは、人気作家が写真と文章で猫との暮らしを綴る本。