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どう読む?『ツレがうつになりまして』

うつ病を患った夫との生活を描き、25万部を超えるベストセラーになった『ツレがうつになりまして。』。うつ病との付き合い方が参考になるのはもちろん、家族の関係を考える本としてもオススメだ。

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

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うつ病を患った夫との生活を描き、25万部を超えるベストセラーになったコミックエッセイ『ツレがうつになりまして。』。かわいくて親しみやすい絵、共感できる内容が、実際に患者になった人からも、そうではない人からも支持されている。うつ病との付き合い方が参考になるのはもちろん、家族関係を考える本としてもオススメだ。

『ツレがうつになりまして。』夫がある日「死にたい」と言い出して……。

ツレがうつになりまして。
<DATA>タイトル:『ツレがうつになりまして。』出版社:幻冬舎著者:細川貂々価格:1,155円(税込)
「ストレスがない」という働く大人は、ほとんどいないと思う。残業をまったくしないという会社員も少ないだろう。過重労働大国ニッポンで生きる人が本書の冒頭を読めば、他人事とは思えないはずだ。

漫画家・細川貂々さんのツレ(夫)は、ハードウェアメーカーのサポート係。会社が大規模なリストラを行なった頃から、ツレの状態がおかしくなった。人数は減っても仕事は減らないので、ひとり当たりの業量が激増。疲れすぎて失敗ばかりするようになり、夜も眠れないようになってしまったのだ。ある朝、ツレは真顔でつぶやく。

死にたい……

うつ病だった。貂々さんはそのとき初めて、うつ病は誰でもなる可能性がある病気だと知る。

それまではどちらかというと、貂々さんがネガティブ思考で、前向きで明るいツレに励まされていたという。ところが立場が逆転した。うつは「ガンバレといってはいけない」といわれる病気。どう接したらいいのか。

本書の場合、失敗例も成功例も紹介されているのでリアリティが感じられる。また、随所にユーモアをまじえ、シリアスな出来事も読者の負担になりすぎないように配慮をもって描かれている。貂々さんの対応を見て、とにかく相手のつらい気持ちを受け入れ、かといって自分も我慢しすぎないことが大事だと感じた。

次ページでは、続編『その後のツレがうつになりまして。』の内容を紹介!

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