書籍・雑誌/話題の本関連情報

どう読む?『ツレがうつになりまして』(2ページ目)

うつ病を患った夫との生活を描き、25万部を超えるベストセラーになった『ツレがうつになりまして。』。うつ病との付き合い方が参考になるのはもちろん、家族の関係を考える本としてもオススメだ。

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

『その後のツレがうつになりまして。』うつとの付き合い方を学ぶ

その後のツレがうつになりまして。
<DATA>タイトル:『その後のツレがうつになりまして。』出版社:幻冬舎著者:細川貂々価格:1,155円(税込)
続編の『その後のツレがうつになりまして。』では、例えば環境を変えないことの重要性や、薬や医療費の負担額を少なくする方法など、本が出版されてから知った情報を明らかにしている。

そして、3年の闘病生活を経て、ツレが元気になってからのことが描かれている。一般の闘病記の場合、ある程度良くなると終わることが多いが、実はうつ病は症状が快方に向かっているときが一番危険といわれているのだ。

せっかく良くなっていたのに、また悪化すると、そのときの落ち込み方は半端でなくつらいらしい。今までできていたことができなくなってしまい、あせってしまう。どうしたらいいのか? 貂々さんが達した結論は、

できないことはあきらめちゃえば?

それから2人はひとつひとつ、これはあきらめようと整理していくのだが、不思議と絶望感はない。必ず「でも○○なのがわかってよかった」という言葉で締めくくられているからだ。何事もとらえ方次第だなと思わされた。

うつ病になる前のスーパーサラリーマンには戻れなかったツレ。でも、別の生き方を最後には見出す。もちろん、うつ病の治り方はケースバイケースで、本書の中でも貂々さんは「ウチの場合こうなった」という形で紹介している。どの家族も貂々さんたちのやり方でうまくいくわけではないだろう。それでも、一組の夫婦のたどった軌跡に勇気を与えられる読者は多いに違いない。

【関連サイト】
「とかげのしっぽ」…細川貂々(ほそかわ てんてん)のHP。仕事情報、日記のほか、楽しい趣味のページも。

【他にもこんな本はいかが?】
「最新ガイドおすすめ書籍」…ガイドが最近読んだ本の感想を紹介しています。

【編集部おすすめの購入サイト】
楽天市場で書籍を見るAmazon で小説を見る
  • 前のページへ
  • 1
  • 2
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます