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まだまだ現役!ジャンプ黄金世代の今(3ページ目)

人生で大切なことはすべて「ジャンプ」から教わった――。少年少女に多大な影響を与えた「週刊少年ジャンプ」。あの名作の今を紹介!

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

シティーハンターが父親に!『エンジェル・ハート』

エンジェル・ハート (1)
<DATA>タイトル:『エンジェル・ハート(1)』出版社:新潮社著者:北条司価格:530円(税込)
美女を見ては股間を「もっこり」させるスケベ男と、裏社会で暗躍する悪を倒す凄腕のスイーパー。2つの顔を持つ『シティーハンター』の主人公、冴羽リョウ。

「もっこり」も生々しく感じさせないひょうきんなキャラクターの裏には、壮絶な過去と深い孤独が隠されている。明暗を兼ね備えた大人っぽいヒーロー像に魅了された読者は多いだろう。さらに大人になったリョウに再会できるのが『エンジェル・ハート』だ。

『シティーハンター』との一番大きな違いは、リョウの相棒だった香が事故死していること。他にも香の兄・槙村の死因など、設定に相違点も多い。一見、続編のようだが、まったく別の作品に生まれ変わっているのだ。

読者に合わせて作品も進化する

生前ドナー登録をしていた香の心臓が摘出後に盗まれ、任務からの解放を願い自殺を図った台湾マフィアの殺し屋「グラス・ハート」に移植されたことから物語は動きだす。「グラス・ハート」は、香の心臓の記憶に導かれ新宿へ。リョウは彼女を追う組織との戦闘に巻き込まれる。「グラス・ハート」は謎めいた美少女だし、新宿の繁華街を舞台にしたゲリラ戦も迫力たっぷりで、ツカミはOK。戦闘が終わり、「グラス・ハート」は、本名の香瑩(シャンイン)を取り戻す。そしてリョウと香の「娘」として、新宿で暮らし始めるのだった。

この作品では、アクションよりも人間ドラマ、特に家族愛を描くことに重点が置かれている。しかも、リョウと香瑩をはじめ、ほとんどは血の繋がっていない擬似家族なのが現代的だ。

「週刊少年ジャンプ」黄金期の読者も、そろそろ子を持つ年代になっている。読者の成長に合わせた進化を楽しみたい。

※リョウの漢字は獣へん+寮のつくり。文字コードの関係でカタカナで表記しています。



他にも『キン肉マンII世』など主人公の子供が活躍する作品も。黄金時代の名作の遺伝子は、こうして受け継がれていくのだ。

【関連サイト】
「ポップ ウェブ ジャンプ」…「週刊少年ジャンプ」の公式サイト。最新刊の試し読みもできる。

「週刊コミックバンチ」公式サイト…『蒼天の拳』『エンジェル・ハート』が連載されている漫画誌の公式サイト。原哲夫・北条司の公式サイトともリンクしている。

【他にもこんな本はいかが?】
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