今回の直木賞は警察小説が強い?
「このミステリーがすごい!」1位の話題作。<DATA>タイトル:『警官の血』上下巻出版社:新潮社著者:佐々木譲価格:各1,680円(税込) |
・佐々木譲『警官の血』(新潮社)※リンク先に詳しいレビューあり
日本の戦後史と三代にわたって警官を輩出した家族の歴史を重ね合わせた大作。父と子の絆をホイッスルがつなぐ。「このミステリーがすごい!」で1位に輝いた。
・黒川博行『悪果』(角川書店)※リンク先に詳しいレビューあり
冒頭からヤクザと賭け麻雀、愛人はホステス、捜査で得た情報を元に小遣い稼ぎ。壊れたマル暴刑事・堀内の暗躍を描く。大阪の街と、捜査の描写がリアル。
・馳星周『約束の地で』(集英社)※リンク先に詳しいレビューあり
舞台は北海道。登場人物もリンクする短編集。いずれも絶望的な状況にある主人公の心理描写と荒涼とした風景描写が重なり合う。「世界の終わり」の荒地の描写が美しい。
全体を読んで、読後感が重めのラインナップという印象を持った。候補者の平均年齢も高い。果たして、直木賞を受賞するのはどの作品か? 1月16日が楽しみだ。
【関連サイト】
・「文学賞メッタ斬り!」…文学賞ウォッチャーとしておなじみ、大森望&豊崎由美のメッタ斬りコンビが第138回の芥川賞・直木賞の結果を予想!
【他にもこんな本はいかが?】
・「最新ガイドおすすめ書籍」…ガイドが最近読んだ本の感想を紹介しています。