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4月のヒット本『ぼく、オタリーマン。』

前月のベストセラーの中から1冊選び、あとづけでゴタクを並べてみる。今回取り上げたのは、発売から25日で30万部を突破した『ぼく、オタリーマン』。ガイド厳選コミックエッセイも紹介!

石井 千湖

執筆者:石井 千湖

話題の本ガイド

前月のベストセラーの中から1冊選び、あとづけでゴタクを並べてみる。今回取り上げたのは、発売から25日間で早くも30万部を突破した『ぼく、オタリーマン。』。ガイド厳選のエッセイ漫画も紹介!
※月間ベストセラーのデータはこちらを参照しました。『ぼく、オタリーマン。』はなぜか実用書にカテゴライズされています。

人気の秘密は好感と共感よしたに『ぼく、オタリーマン。』

ぼく、オタリーマン。
累計1500万ヒットの大人気サイトを書籍化。28歳、SE、独身、彼女ナシ、そしてちょっぴりオタクな会社員の日常を描いたコミックエッセイ
本書を読んでまず思い浮かべた言葉は、好感と共感

オタクといっても、例えば二次元キャラに本気で恋するような切実さがあるわけではない。聞いている方が引いてしまうほど、好きなものについて語るわけでもない。引用される作品も「ガンダム」とかメジャーなもの。帯に書いてあるようにオタク度合いは“ちょっぴり”。だからオタクに興味がない人でも親しみやすい。常に白目をむいている(?)にもかかわらず、可愛らしい自画像にも好感が持てる。

会社、家、通勤路、飲み屋。実に狭い世界で繰り広げられる自虐ネタが本書の読みどころだ。本業はSEのよしたに氏。残業や休日出勤が多い職種だけに過労ネタは多い。だいたい、日本の会社員で(フリーでも!)過労じゃない人は少ないだろうし、その点でも共感を得られるだろう。

日常のちょっとした1コマも「あるある!」という感じ。会社の同期との飲み会で「大宇宙一人ぼっち」になってしまう(P31)、自分の足のニオイが臭すぎて驚く(P157)、疲れすぎて駅の自動改札機に家の鍵を差し込みそうになる(P162)などなど。ちなみに以上に挙げた例は、すべてガイドが実際に経験したものだ……。

よしたに氏のアドバンテージは、経済的にも(一般企業の会社員)、性格的(対人関係において不器用)にも、読者と共有できるポイントが多いこと。抱腹絶倒、はできないけれど、ゆるゆると楽しめる1冊だ。

<DATA>
タイトル:『ぼく、オタリーマン。』
出版社:中経出版
著者:よしたに
価格:1,000円(税込)

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