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第130回芥川賞・直木賞決定!(2ページ目)

去る1月15日、第130回の芥川賞・直木賞が決定した。直木賞は、京極夏彦、江国香織のダブル受賞。そして、芥川賞には、史上最年少受賞者が・・・。

執筆者:梅村 千恵

●芥川賞に、二人の史上最年少受賞者
 さて、今回の受賞で話題が集中しそうなのは、フレッシュな芥川賞受賞者二人。綿矢りさ氏、19才。金原ひとみ氏、20歳。ともに、丸山健二氏の23歳を抜き、史上最年少受賞となった。
 綿矢りさ氏は、高校在学中に『インストール』で文藝賞を受賞し、デビュー。同作は、30万部以上を売り上げるベストセラーとなり、映画化も決定している。今回の受賞作『蹴りたい背中』は、クラスになじめない女子高校生とオタクの男の子の微妙な関係をユーモアを交えて綴った作品。ご本人は、授賞式で、「自分の作品の世界は小さいので、(賞をもらって)戸惑っている」というようなことを話されていたが、すでに13万部を売り上げている人気作だ。
 一方、授賞式で「人と交われないもどかしさや生きづらさを抱えていました。そんな行き場のなさを小説で表したかった」と語った金原ひとみ氏の受賞作は、舌にピアスを入れるなど肉体改造によって生の実感を得ようとする若者の姿を描いた作品。無力感、喪失感と格闘しつつも、人を好きになろうとする女性の姿が、鮮やかに描き出されている。選考委員の村上龍氏も、「扱っているテーマはエキセントリックだが、今を生きる女の子の、好きな男性への思いがきちんと描かれていた」と称賛。綿矢氏ほどメジャーではないが、今後注目が集まりそうな逸材であることは間違いない。 
 
 なお、候補作は、以下の通り。
●芥川賞●
絲山秋子『海の仙人』(新潮12月号)
金原ひとみ『蛇にピアス』(すばる11月号)
島本理生『生まれる森』(群像10月号)
中村航『ぐるぐるまわるすべり台』(文学界12月号)
綿矢りさ『蹴りたい背中』(文藝春秋)

●直木賞●
江国香織『号泣する準備はできていた』(新潮社)
京極夏彦『後巷説百物語』(角川書店)
糸川湊人『都市伝説セピア』(文藝春秋)
馳星周『生誕祭』(文藝春秋)
姫野カオル子『ツ、イ、ラ、ク』(角川書店)

芥川賞・直木賞についての情報は!「文藝春秋 各賞の紹介」
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