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<第2回>平積み本、大解剖! 『老いてこそ人生』

ベストセラーの定番の地位を確立した感のある、「老い方指南書」。「老い」とは遠いイメージ著者が説く「老い方の極意」とは?

執筆者:梅村 千恵


『老いてこそ人生』

石原慎太郎 幻冬舎 1500円
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■「老い」の指南書、絶好調! 「万年ヤンチャ者」のこの人まで!?

90歳を超えた現役医師、日野原重明氏の『生きかた上手』、そして、石原慎太郎都知事の『老いてこそ人生』・・・。ブームというよりは、もはや平積み棚の定番ともいえる「老人本」。「老人本」という呼び方がまずければ、「老い方指南書」。

超高齢化社会の到来、などと言われて久しいが、統計的なことはともかく、自分自身のことを顧みても、石原慎太郎氏の言葉を借りるなら「人生の劇場における最後の幕」は、けっしてそう短くはなさそうだ。そして、その「けっして短くはない終幕」の演出を他者(例えば,家族、社会)任せにすることにして、本人はただ舞台に立っていればいい、というものでもなさそうなのだ。

自分のよりよい老いを演出するのは、自分しかいない――そんな自覚が、「老・後」あるいは、「老・中」の人のみならず、「老・前」の人々が「老いの指南書」を手にとる動機の源泉となっているのであろう。

さて、「老・前」あるいは「老・前・前」の人も多く手にとっているのではないかと思われる東京都知事のこの一冊。

時代のヒーローの一人であり、今も時として過剰すぎるほどのエネルギーを発散している「万年ヤンチャ者」の著者とこの枯れたタイトルは、一見、そぐわない。しかし、本編を読んでみると、この人は、やはりこの人は、「枯れる」ということから遠いところにいる人だと、改めて思い知らされる。それでは、彼が、彼の論拠がどこに拠っているかというと・・・。
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