代々受け継がれた仕入れ先より納得の素材しか使わない

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歳月の分、味に深みが増す出汁。この味の虜になった向きが今日も顔を揃える
「素材ありき」という『尾張家』のおでんタネは、代々受け継がれた仕入れ先より納得の素材しか使わない。例えばさつま揚げは外神田の『構』、豆腐やこんにゃく、がんもなどは内神田の『篠豆腐店』、キャベツ巻き等に使用する合い挽き肉は築地『火山岬』、といった具合。美味さの柱はもちろん、創業以来の継ぎ足しの出汁。

鰹、昆布、煮干しを一度煮て落ち着かせ、大根など出汁が染み込みにくい素材から大鍋に合わせていく。お酒との相性を考え、さっぱり薄味の関西風に仕立て上げた。
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写真の巾着はもちろん、全てのタネが手作りと聞くから恐れ入る
出汁を含ませながら一種類づつ皿に盛られる仕事ぶりにうっとり。熱々をハフッと口に運ぶと見た目通り、確かに素材を生かしたさっぱり味なのだが、練り物はハフハフとするたび口の中で出汁の旨味が溢れ出し、野菜はみずみずしいまま甘みがグンと引き立ち、マグロのトロを串にしたネギマは濃厚な磯味が感じられる。

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大根はやはり看板タネの一つ。ホクホクと豪快にほうばりたい
毎日手作りで仕込まれるキャベツ巻きはトロトロのキャベツを噛み切った途端、肉汁と出汁が混然一体となった旨味がジュワっと溢れ出す至極の一品だ。

『尾張家』を知っておでん好きになった酒飲みも多いと聞く。辛口の熱燗と実に相性がいい。