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2008年公開の名作映画ベスト10(2ページ目)

2008年に日本で初公開された作品から、ガイドの趣味と独断で選んだBEST10をカウントダウンでお届けします。

執筆者:中野 豊

第8位:『アメリカを売った男』
FBI捜査官を巡る衝撃の二重スパイ事件!

アメリカを売った男
BREACH
『アメリカを売った男』
2001年2月、20年以上に渡りソ連~ロシアにアメリカの国家機密を漏らしていたとして全米を震撼させたFBI捜査官ロバート・ハンセンを巡る衝撃の実話を映画化したサスペンス・ドラマ。

ある日、若きFBI捜査官エリック・オニールが上司のケイト・バロウズに呼び出され、組織内でもトップクラスの捜査官ロバート・ハンセンの監視を命じられるのですが、ハンセンと行動を共にするオニールは、何一つ不審な点を見つけることはできません。やがて、自らの任務に不満を持ち始めたオニールは、バロウズからハンセンのスパイ容疑という衝撃の事実を告げられます。そして証拠をつかむべく身辺を調査。ばれないように行動しなければならない緊張感や駆け引きなどがスリル満点に描かれます。スパイがスパイをスパイするスパイのトリプルアクセル(笑)映画に堪能しました。

[作品情報]
・2007年/アメリカ映画/上映時間:111min
・監督:ビリー・レイ
・出演:クリス・クーパー、ライアン・フィリップ、ローラ・リニー

第7位:『ブレス』
死刑囚と夫婦仲が壊れた孤独な主婦の心の交流

ブレス
BREATH
『ブレス』
平凡な主婦ヨンは夫の浮気発覚から深い孤独の闇に落ちていました。ある日、死刑執行前に自殺を企てて失敗する死刑囚チャン・ジンのニュースをテレビで見たヨンは、昔の彼女だと偽り刑務所を尋ねます。余命わずかの彼にヨンがプレゼントしたのは、原色に満ちたまぶしい四季の風景と歌でした……。

悲しみを抱えて終る悲劇ですが、生ける者の人生は続くのです。ラスト、家族との雪の中のヨンの心の傷は、少しだけでも癒されたに違いありません。

[作品情報]
・2007年/韓国映画/上映時間:84min
・監督:キム・ギドク
・出演:チャン・チェン、チア、ハ・ジョンウ、カン・イニョン、キム・ギドク

第6位:『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
男を怪物に変貌させる黒い血(石油)にまつわる物語

ゼア・ウィル・ビー・ブラッド
THERE WILL BE BLOOD
『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
同監督作としては『マグノリア』の方が好きだけれども、こちらは立派な映画です。好きと立派では好きが勝るのですが、本作はカエルが降るなどの意表をつくことはなく、降ってくるのは「あの時代」の石油で、リアルな描写が鋭い視点で見つめられ、ジェームズ・ディーン主演の『ジャイアンツ』を思い出しました。

20世紀初頭のカリフォルニアを舞台に、鉱山労働者(ダニエル・デイ=ルイス)が石油採掘によって富と権力を手に入れていく姿を描き出します。しかし、これは正統なアメリカン・ドリームの物語ではありません。むしろ、アメリカン・ドリームを衝き動かしてきた欲、家族、宗教、裏切りを冷徹に赤裸々に綴った魂のヒューマンドラマです。

[作品情報]
・2007年/アメリカ映画/上映時間:158min
・監督:ポール・トーマス・アンダーソン
・出演:ダニエル・デイ=ルイス、ポール・ダノ、ケヴィン・J・オコナー


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