マイ・ブルーベリー・ナイツ
『マイ・ブルーベリー・ナイツ』の名キスシーン
5月23日の「キスの日」は1946(昭和21)年、日本初のキスシーンが登場する映画『はたちの青春』の公開に由来しています。ほんのわずかに唇をあわせただけのものでしたが、当時の観客には衝撃だったらしく、映画館は連日満員!主演の二人はガーゼで口をガード。決死の覚悟ででキスシーンに挑んだということです。

ちなみにこの映画でキスシーンが登場した背景にはGHQの検閲が関係しています。『はたちの青春』の前に公開された映画『ある夜の接吻』で恋人がキスをするシーンを洋傘で隠して撮影したために、「ラブシーンなのにキスを見せないのは不自然」とGHQから映画会社に抗議がはいったことが日本初のキスシーン誕生のきっかけなのです。

外国映画はずっと早く1896年のアメリカ映画で監督ウィリアム・ヘイズ、出演メイ・アーウィン、ジョン・C・ライスの『接吻』は、キスシーンが始まると、ざわめきが起こり、観客の中には口笛をふくものもいたということです。公序良俗に反すると新聞雑誌に書き立てられた本作は上映禁止処分となった史上初の検閲映画です。

最も長いキスシーンだと言われた
アルフレッド・ヒッチコック作品『汚名』

汚名
映画史上最も長いキスシーンと映画会社が宣伝した、ヒッチコック監督の『汚名』
ヒッチコック監督の、当時(1940年代)のプロダクション・コードには「キス・シーンは3秒まで」という規定があり、それ以上の口づけを映画で見せることは禁じられていました。しかし、ヒッチコックはこの規定を逆手に取り、イングリット・バーグマンとケイリー・グラントがバルコニーで愛し合うシーンでは、二人に3秒以内の短いキスを何回も続けさせます。その結果、このキス・シーンは2分半にも及ぶ官能的なものとなりますが、個々のキスは3秒以内だったため検閲を無事にパスしたわけです。

映画が公開されると批評家からは絶賛され、観客もこの映画に魅了されて興行的に大ヒットを記録。第19回アカデミー賞では助演男優賞と脚本賞の2部門にノミネートされますが、受賞は逃しました。


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