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感涙の恋愛映画10選:アメリカ映画編

映画史に残るラヴストーリー(恋愛映画)の名作セレクト10、アメリカ映画編です。戦前の『風と共に去りぬ』等から、この10年ですでに古典となった『タイタニック』までを紹介します。

執筆者:中野 豊

ジャンル別の名作映画セレクト10は、いよいよラヴストーリー(恋愛映画)をお届けします。愛をみつめた(テーマにした)作品数は膨大、無限ですが、物語の骨格に男女のラヴロマンスを措いたアメリカ映画の感涙の10作品を選んでみました。鑑賞の際は、ティッシュを一箱用意してから、ご覧下さい。

南北戦争下のアトランタを舞台にした
スカーレットとレットの恋愛『風と共に去りぬ』

風と共に去りぬ
前向きに生きるスカーレットの姿に現代女性像を見出せる『風と共に去りぬ』
本ページで紹介する恋愛映画は、戦時下という極限状況の中で燃え上がる恋の焔の名作選です。トップは『風と共に去りぬ』から。

私たちの親や祖父母世代に圧倒的な支持を得た戦前に創られた超大作。リバイバル上映、テレビやDVD鑑賞を含めれば、観た人員は全世界第一位作品でしょう。

南北戦争開戦直前のアトランタの大農場主の娘スカーレット(ヴィヴィアン・リー)は、アシュレー(レスリー・ハワード)を愛していますが、アシュレーはスカーレットの従妹メラニー(オリヴィア・デ・ハヴィランド)と結婚してしまいます。勝気なスカーレットは当て付けにメラニーの兄と結婚しますが彼は戦死。次は妹のフィアンセを略奪婚。しかし、彼もまた命を落とします。

南北戦争が勃発し激しい戦火の中、スカーレットは野生的なレット(クラーク・ゲイブル)に助けられたのをきっかけに今度はレットと結婚しますが、それでも尚初恋の相手アシュレーを忘れることが出来ないのでした。

心優しきメラニーとアシュレー。逞しく強く生きる(時に自己中心的にも思われる)スカーレットとレット。典型的な二つのタイプの4人が織り成す、南北戦争を舞台にした大河ロマン! 最も愛されているアメリカ映画と言ってもよいでしょう。

・1939年/アメリカ映画
・上映時間:231min
・監督:ヴィクター・フレミング

第一次大戦下のロンドンを舞台にした
マイラとロイの恋愛『哀愁』

哀愁
メロドラマ映画の頂点『哀愁』
『風と共に去りぬ』の勝気なスカーレット役から一転、圧倒的な美しさと繊細な名演のヴィヴィアン・リーによって不朽のメロドラマとなったロバート・E・シャーウッドの戯曲『ウォータールー橋』の映画化です。

プロローグは第二次大戦開戦の日、48歳のロイ(ロバート・テイラー)はロンドンのウォータールー橋にたたずみ、その手には象牙の小さな人形が握られています。

物語はそこから20年遡る第一次大戦下、ロンドンのウォータールー橋で空襲に合うロイ・クローニン大尉は、美しい女性マイラ(ヴィヴィアン・リー)と出会い恋に落ちるのですが、戦争という状況下で二人には悲劇的な運命が待っているのでした。

反戦映画としてみることもできますが、本作はその徹底したロマンティックな演出を貫いたことで、悲恋映画の傑作となりました。

・1940年/アメリカ映画
・上映時間:108min
・監督:マーヴィン・ルロイ

第二次大戦下のモロッコを舞台にした
イルザとリックの恋愛『カサブランカ』

カサブランカ
気障なセリフの数々に悶絶の『カサブランカ』
第二次大戦下、戦乱を避け渡米する人々の寄港地モロッコの首都・カサブランカに、米国人リック(ハンフリー・ボガート)が経営する「リックズ・カフェ・アメリカン」があります。

ある日、反ナチ運動家のラズロ(ポール・ヘンリード)と妻のイルザ(イングリット・バーグマン)が旅券入手のために店にやってきます。驚くリック、それもそのはず、イルザはパリ時代の恋人だったのです。

大戦下の反ナチズムを描きながらも、物語は典型的なメロドラマです。「君の瞳に乾杯」等あまりに有名なセリフの数々にうっとりします。

・1942年/アメリカ映画
・上映時間:103min
・監督:マイケル・カーティス

朝鮮戦争前夜の香港を舞台にした
ハンとマークの恋愛『慕情』

慕情
アカデミー賞受賞のテーマ曲が甘美なドラマを一層盛り上げる『慕情』
イギリスと中国人の血を引くハン・スーイン女史の自叙伝小説の映画化です。

夫を戦争で亡くしたハン・スーイン(ジェニファー・ジョーンズ)は香港の病院で働いています。あるパーティでアメリカの従軍記者マーク(ウィリアム・ホールデン)と知り合い、愛するようになります。マークにはシンガポールに妻がいますが、すでに夫婦の愛はさめていました。終盤、朝鮮戦争が勃発しマークは戦地へ向かいますが……。

愛=結婚という方程式を覆す、心に痛い深層の恋愛ドラマ。

・1955年/アメリカ映画
・上映時間:102min
・監督:ヘンリー・キング


次ページは、コミカルな演出の中にも深い愛を描いた『街の灯』、『或る夜の出来事』、そしてオードリー・ヘップバーンの代表作『ローマの休日』です。
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