『ゆれる』完成披露舞台挨拶
オダギリジョー氏、香川照之氏、西川美和監督
[2006/3/23]
|
『ゆれる』舞台挨拶コメント[敬称略] 西川美和:卵を温めるように大事に大事に育ててきました。 オダギリジョー:脚本を頂いて撮影するまでに、かなりの時間がありました。この間、30歳になったんですけど、20代の締めくくりになるちゃんとした作品だと思って、20代をかけて撮りました。 香川:脚本をもらってから1年ぐらい時間がありました。2005年の10月に撮影だということと、オダギリジョーさんが共演だと2つの情報だけをもらって読みました。久しぶりに本を読んだ後に驚いた。というのは若き女性が、男の兄弟のこういうような話をとても書けるはずはないと。こんな本をどうして女性が書けるのか、打ちのめされてボーッとしました。オダギリ君が奇しくも『30になって』と言いましたが僕も去年40歳になって、30代をかけた作品です。 オダギリジョー:(監督について)よくこのような話が頭の中で組み立てられるなあと思いました。正直、同世代の者として、嫉妬しましたね。嫉妬というほど深いものではなくて、手が届かない才能にクヤシくなりました。演出、映像作家としても嫉み?…クヤシイんです。 オダギリジョー:香川さんは初日から優しく接していただきまして、僕はどちらかというとコミュニケーションがヘタなほうで、話していただかないと話せないんですよね。話してみると共通点がどんどん見つかりました。役者について、芝居について、似た考え方で、本当の兄弟のように感じられました。香川さんじゃなかったら、これだけの空気をつくることはできなかったと思います。 香川照之:(監督と)何も知らず町でバッタリ会ったら『可愛い』と思いますけど、こんな本を書く人だと誰が外見から想像できますでしょうか。とぐろを巻いた黒い何かを見てしまっているわけです。そういう意味では外見にごまかされてはいけないってほど。こんなに僕自身のことを分かっている人がこの世界にいることに喜びを感じました。西川美和という女性に尊敬とおそれを感じました。 西川美和:描いた世界をお二人にお任せする。お二人は共演経験がなく、わたしもお仕事したことがなかったので客観的にみてタイプの違う俳優さんだなと思って、いい意味での反応を期待しました。日を増すごとに、実際の兄弟のようになり、ジーンとくることも。兄弟という血の繋がりというだけで結ばれている関係は、お互いの存在から逃れられない。人間同志の関係性―希薄さ、危うさ―。兄弟をモチーフにしていますが、人間が関わっていくことで可能性をみつけることができるのか?ということを描けたら、と。 |
『ゆれる』 |
[YURERU] Tokyo Stage Greetings
※記事・画像の使用は、版権を有する映画配給会社等の許諾を得て掲載しています。
※記事・画像の使用・転載は、営利・非営利を問わず禁止です。
※リンクは、大歓迎です。詳細は右上の▲リンクをご覧下さい。
※(c)2006「ゆれる」製作委員会
※Photos(c) JULIE MINAMI- All Rights Reserved. Use is restricted to this website in promotion of "YURERU" Photographs may not be copied for use elsewhere including other Internet sites without permission.
『映画』トップページへ戻る |