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この秋イチオシ実話ベース映画(2ページ目)

この秋に公開するイチオシは、実話をベースにした映画。そこで『フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白』『ニュースの天才』『モンスター』『僕はラジオ』の4作をご紹介します。

執筆者:南 樹里

フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白(2003)The Fog of War』

戦後マクナマラはフォード自動車会社に入社。会社の業績を上げ、社長にまで昇りつめた。その頃、最年少の米国大統領が誕生した。ジョン・F・ケネディ。入閣を求められ、マクナマラは国防長官に就任する。それは素晴らしくも、悪夢の日々の始まりだった。

「ベトナム戦争は避けられたのではないのか?」「キューバ・ミサイル危機のとき、アメリカ政府はソ連の立場に立って状況を見ることができたのに、ベトナム戦争ではそれができなかった」

フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白(2003)The Fog of War

エロール・モリス監督の受賞式のスピーチより抜粋「40年前、この国アメリカは「ウサギの穴」に落ち、その結果、何百万人もの人が死にました。いま私たちは、また同じように「ウサギの穴」に落ちつつあるような気がしてなりません。もし皆さんが、この映画を見て、立ち止まり、いくつかの理想や問題について、考え、思いをめぐらせて下さったとしたら、たぶん私は、少しの善をなすことができたことになるでしょう。」

原題:『The Fog of War』日本語版字幕翻訳者: 森泉淳 *監修あり■スタッフ監督:エロール・モリス音楽:フィリップ・グラス[2003年/アメリカ/107分]配給:ソニー・ピクチャーズ

▼南の試写コメ『フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白』せっかく鑑賞するのなら頭がスッキリしている時に鑑賞することをおすすめします。というのもキューバ危機の真相、東京大空襲、ベトナム戦争…権力中枢の裏側で、いかに悩み、時に誤った判断をしたのかという衝撃の告白の数々を受け止められる状態でいてほしいから。11の教訓=レッスンは明確=次々と事実やアーカイブ映像、統計で語られている。これを見て何をどう感じるのか、という観た者に考える余裕があるつくりになっていると思う。ホワイト・ハウスの人々、「ダ・ヴィンチ・コード」を回し読みしている場合ではないです。「今、そこに潜む危機」を感じられる作品だから。人間は完璧ではない、間違いもする。隠蔽したりせず真実を見せ判断させることも大切だと思う。余計&無意味な混乱が起きぬように。言葉をつまらせる様子は、後悔ともとれるしイエロー信号を発しているようにもとれる。明確な言葉で表現しない=メッセージをくみ取ってほしいと思う。ミドルネームの「S」のくだりで…クスッ。

[2004年6月30日 @ソニー・ピクチャーズ]
『フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白』の上映時間を調べる
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