『キング・アーサー』にみる英雄哲学 -ジェリー・ブラッカイマー-
ブレイク前の俳優や監督を次から次に起用したりとキャスティング手腕の素晴らしさ、そして次から次に大ヒット作を生み出すことでも知られるジェリー・ブラッカイマー。これまでに『パイレーツ・オブ・カリビアン』『アルマゲドン』『パール・ハーバー』『バッドボーイズ』シリーズがあり、超多忙なスケジュールのはずだが、PRの際は必ず来日してくれる。来日回数は、4人の中で最も多いのだが、常に東京での仕事があり観光の時間はとれないんだそう。ちなみに日本で観光したいのは「京都」や他の町、会いたい人物は「首相」だとか。
そのジェリー・ブラッカイマーが語る『キング・アーサー』キャスティングのポイントは、「優秀な俳優を集める事、クライヴ・オーエンとヨアン・グリフィズを獲得できたことが(成功)のポイント」。つまりイギリスの伝説には、イギリスの俳優を起用したことで、リアリズムを追及したのだという。また「今回は伝説的な王ではなく、歴史上のアーサーを描きたかったので、それほど知名度が高くない方が好ましかった」のだとか。『トレーニングデイ』でデンゼル・ワシントンにオスカーを獲得させたことでも知られる監督のことはエッジの効いた映像を創る「アーティスト」と表現。「これから益々期待できる監督」だと語った。
「英雄は、我々の上に立つ人であり、そして正しい瞬間、この時という瞬間に行動を起こせる人だと思います。忠誠心や勇気があり、仲間を大切にする人、常に人より秀でることを目指す人。そのためには自分を犠牲にすることもあるでしょう」と、劇中のアーサーの行動を例えにだしながら英雄哲学を語ってくれた。
『キング・アーサー』ストーリー
西暦415年ローマ帝国の支配下にあったブリテンでは、帝国からの独立を求める反乱軍=ウォードと、残虐なサクソン人が終わりなき戦闘を繰り広げていた。無敵を誇る「円卓の騎士」を率いてブリテンの《ハドリアヌスの城壁》を守っているのはローマ軍の司令官、アーサー。ウォードを指揮するのは、ブリテンの愛国者であり、魔術を使う預言者マーリンだ。ローマ帝国とウォード、サクソンの勢力争い。アーサーと円卓の騎士たちは、兵役を終え平穏な生活を取り戻すはずであった。ローマ教皇から「最後の使命」が下されるまでは…。
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