佐々部監督が最もこだわったのが、主演の4人のキャスティングだそう。「走れない」スターを起用する事になったらこの企画は潰してしまおうとまで考えていたほど。その思いにうたれたスタッフは、体育大学のグランドを借りてオーデションを行ったという。見事主役を射止めた4人を待っていたのは、合宿生活による競技特訓とリハーサル。しかも連日だという。そういった生活を通して4人に本当の友情が芽生えていき、結果「演技」だけであらわせない「友情」が・・・。
音楽のことも少し。劇中に流れるのは、1977年から78年の懐かしいヒット曲「横須賀ストーリー」やピンクレディーなど。また、郁子の父親役には下関出身の歌手、山本譲二。劇中でも♪~している、本作が映画初出演。そして昨年、デビュー30周年を迎えたイルカが高校教師役で特別出演するだけでなく、主題歌「なごり雪」を韓国語バージョンがエンディングテーマとなった。これが、なんともいえない、せつなさ…なごり感、「去年より…きれいになった」。偶然にも、このレコーディング、ソウルで行っているそう。そして2003年の郁子を演じるのは、高樹澪。真理を演じるのは、マラソンランナー、谷川真理。スナックのママに夏木マリ。
監督・脚本:佐々部清高倉健主演の映画『鉄道員 (ぽっぽや)』『ホタル』など多数のチーフ助監督を経て、2002年日本アカデミー賞優秀作品賞を受賞した『陽はまた昇る』で監督デビュー。2004年公開の『半落ち』もヒットさせ高い評価を受けた。監督は、生まれ故郷の下関を舞台に映画を作りたいという10年来の情熱を遂に実現させ、淡々と胸を打つ感動作を完成させました。下関フィルムコミッシヨンが関わった第1回作品でもあり、下関市民エキストラ延べ2,000人以上の熱い心がひたひたと伝わってくる作品です。
▼南の試写コメ下関って美しいのね、とあらためて思う作品。主演の4人の生き生きとした躍動感は、画面に溢れているし、鑑賞する側の心を和ませるゆったりとしたテンポの作品。多言語習得の一番の方法は、恋愛だとよく聞く、主人公の郁子の韓国語習得パワーに10代の純粋さを懐かしむ。4人が歓迎会で披露する一芸?も可愛らしい、それを見た韓国の人々の反応も…当時はそうだったんだろうな、と。エキストラが2000人以上参加していて、「下関を中心」とした多くの人々に応援されているのが公式サイトのBBSを見ても分かる。関釜をつなぐ船の航行…競技場に渡る風…走る姿…そのワンシーン毎に、そよぐ風を感じる・・・・。
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