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『MUSA-武士-』(2ページ目)

「敵の姫(チャン・ツィイー)」を守る使命を受けた武士(チョン・ウソンら)たちの終わりのみえない闘い。

執筆者:南 樹里

MUSA-武士-歴史は支配力を持つ王族や貴族のものじゃない!
この映画は、人間同士の係わり合いを扱ったドラマです。武術や歴史的な出来事というモチーフはあるけれど、それだけじゃなくて様々な思想や対場であったり、民族的な背景も異なる人々の葛藤や和解についての映画なんです。歴史は支配力を持つ少数の王族や、一握りの貴族のものだけってわけじゃない!私は、社会の底辺で生きる人々の生活に興味を持っている。逆境に立ち向かい、生き抜こうとする人々のことは、王朝の歴史の中ではとるに足らぬ事だとみなされているよね。ずば抜けて優れているわけでもないし、注目に値しないかもしれない、だけど私の考えでは歴史は常にそういった人々によって作られ進んでいるんだ。だからこそ、高麗王朝の末期、普通の人々が敢行した驚異の旅に焦点をあわせることにしたんだ。
―キム・ソンス監督語る―
映画『HERO』の製作の《鍵》を握る美術監督美術監督に注目。その名は、フォ・ティンシャオ。チェン・カイコー監督の『さらば、わが愛/覇王別姫』(93)『始皇帝暗殺』(98)の美術監督である。『始皇帝暗殺』ではカンヌ映画祭最優秀美術貢献賞を受賞している。2003年の夏に公開された『HERO』(配給:ワーナー映画)のチャン・イーモウ監督がこの『MUSA-武士-』のラッシュを観て、準備中だった美術チームをその場で解雇し、『MUSA-武士-』の美術チームを電撃的に起用している。劇中、後半に登場する土城のセットは、三東半島を半年がかりで探し当てた土地に、設計に3ヶ月、工事3ヶ月で完成させ、その上で崩れ行く姿にする作りこみに2ヶ月を費やしている。また5日間海水を引き上げて腐食した感じを出し、すすけた感じをだすのに城を7回焼き等の手間をかけて侵食された城、崩れ落ちる城郭の見張り台…と見事な出来栄えをつくり周囲を驚かせたという。さらに砂漠の撮影では、2日がかりでバリケードを築き足跡のいっさいない、まっさらな砂漠を保った。それに撮影時は、真夏、体感気温60度のなか俳優達は撮影に挑んでいる。
MUSA-武士-キム・ソンス監督って?ソウル生まれ。世宗大学英文科卒業後、東国大学院演劇映画化で映画演出を学ぶ。パフ・クァンス監督の助監督などを経て、1996年『ランナウェイ』で監督デビュー。『MUSA-武士-』での演出力が認められ、2002年のFIFAワールドカップの公式ソング、Voices of KOREA/JAPANの「Let's Get Together Now」のプロモーションビデオも手がけた。最新作は2003年『英語完全征服』。
▼南の試写コメ美術の良さは↑で語っているので…そのほかの事を書きます。チャン・ツィイー以外の俳優は、日本ではあまり馴染みのない人も多いかもしれないけれど、俳優人が良いのでオススメしたい作品。鑑賞中は圧倒されて鳥肌立ちまくりでした。特にイザという時に頼りになるチョン・ウソン演ずるヨソル、そしてアン・ソンギのシブさが際立っていました。女性はこういう男性に弱いかも!?(ここからネタばれ→)エンドロールにロケでの馬の怪我は一切ありません。と出るほど迫力の騎馬シーン、ただアップで首に矢がブスリとささるシーンもあるのでそれなりの覚悟は必要。(←ここまで)
[2003年11月21日@GAGAにて]

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