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ラブサスペンス『ケイティ』(2ページ目)

11月29日(土)~公開。社会派ドラマ『トラフィック』(00)でアカデミー賞の脚色賞とゴールデングローブ脚本賞を獲得したスティーブン・ギャガンが監督に初挑戦した話題作。

執筆者:南 樹里

ケイティアメリカ裏社会に根深く浸透する麻薬社会、その実態に迫る社会派ドラマ『トラフィック』(2000)。この作品でアカデミー賞の脚色賞とゴールデングローブ脚本賞を獲得したスティーブン・ギャガンが、監督に初挑戦した話題作が『ケイティ』だ。
【 ハートが絡み合う、衝撃のラブ・サスペンス 】
『トラフィック』」で試みたドキュメンタリー・タッチともいえる迫真の群像ドラマを、より身近に、よりリアルに、カレッジ・ライフの中に求め、さらに人間存在の深奥に迫る本作で、監督としても、脚本家としての手腕をさらに上回る想像力と、ストーリー・テリングを見せ、サスペンス・スリラーの秀作と各界から賞賛を浴びた。3つの異なった時間軸に、主人公ケイティを巡る事件が同時進行する手法、じわじわと暴かれていく現代女性を取り巻く、孤独、寂寥、そして心の闇の実態。いつしか得体の知れない不安がめくるめく様な陶酔感に変わっていくサスペンスは、圧倒的な迫力だ。
ケイティエンブリー・ラーキン : チャーリー・ハナム
▼スタッフ監督/脚本 : スティーブン・ギャガン原作:ショーン・デスモンド作「Adamsfall」より音楽 : クリント・マンセル▼キャストケイティ・バーク : ケイティ・ホルムズウェイド・ハンドラー刑事 : ベンジャミン・ブラットエンブリー・ラーキン : チャーリー・ハナム『コールドマウンテン』▼南のコメント監督のスティーブン・ギャガンは、脚本と監督は切り離せない関係だと断言しているそうだ。ストーリーの心理的リアリティを全て完璧に把握するために、と。登場人物は卒業後の人生を悩む大学生たち。他人からでは分からないような孤独という悩みを抱えていて、その孤独感をどうするべきか模索している。そんな闇部分をうまく取り込んだサスペンス!チャーリー・ハナムの持つオーラがエンブリー役のカリスマ性とマッチしていました。[2003年10月22日 東宝東和試写室にて]

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