渡辺謙氏:彼はこんな為りをしていますが、本当は日本人です。(トム・笑)というぐらい僕らが感じている武士道を分かっていて、日本人でも本当に分かってるのかよ?という気がしていて。僕ら自身もこの『ラスト サムライ』を通して探していこうと話していました。それは日常の中だったり関係性の中だったり、謙虚ってなんだろう?とかものすごく感じながら撮影を続けていたと思います。撮影中、アクションの練習中、精神の総てを注ぎ込んだ気がします。エドワード・ズウィック監督:これだけ、付け加えさせてください。この映画は日本が歴史の転換期を迎えたところを描いているものです。転換期において人々が武士道の精神から離れようとしている、そこを描いています。その精神が近代化になっても維持できるかがポイントです。それは今の日本、そしてアメリカ、世界が考えていかなければならない問題です。真田広之氏:総て語りつくされた感じですが、少しだけ。皆さんが想像する武士というのは、剣を振る姿だと思うんですが、サムライは戦士として、闘う人間としてだけではなく、独自の文化と精神哲学を持っていると思っています。その2面性的なものを表現できればと思っています。自分に厳しく、他人に優しく。鍛えられた精神だからこそ争いを避けて、闘わずして勝つ。そういう精神をどのぐらい残っているのかな。そして(その精神を)皆が持っていれば、すごくいい世の中になるのにな、と思っています。世界にも発信されますが、自分にももう一度、学びなおすきっかけになればと思っています。小雪さん:皆さんがおっしゃったことで、勉強させてもらったところが多かったんですけど。そもそも武士道とか侍魂とかは、あまり言葉でこういうものであると表現するものではないと思うんです。自分の精神性の中にあって、自分に誇りを持って、生きる道をまっとうする。自分の中にあるものを、人が言葉を使って表現するものだと思います。その時代だけではなく、現代社会においても信念なり、自分に誇りを持って生きている人はすごく魅力的だと思いますし、あたしもそうでありたいと思います。
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