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『ファム・ファタール』(2ページ目)

8/23(土)~公開。21世紀のファム・ファタールは自分の運命と戦う女。圧倒的な美貌と異なる顔を演じ分けるレベッカ・ローミン=ステイモスの魅力にアントニオ・バンデラスもメロメロ!?

執筆者:南 樹里

【 このサスペンスを見抜くヒント 】
それは4つ。ポスター・水・時計・水晶。冒頭のTV映画『深夜の告白』が女の裏切りを予告し、『裏窓』のように人生の裏側を覗き見る視線。『めまい』のような、瓜二つの女性の登場。パリ、ベルヴィルの通りを撮り続けるバンデラスの写真はデヴィッド・ホックニーのフォト・コラージュを思わせ、その街角に貼られた「デ・ジャ・ヴュ」というポスターが既視感をあおる。そして必ず3時33分を指している時計。デ・パルマ監督の仕掛けた美しいジグソー・パズルの最後の1片がはまるとき、すべての謎が氷解していく。[プレスより抜粋]「《ロールの役》はまさにこの映画の原点であり中心だ。ファニーで、セクシー、そして心地よい残酷さを兼ね備えたヒロインで、感情を刺激するようなキャラクターを作り出したかったのだ。40年代、50年代の古典的な"ファム・ファタールもの"を参考にして、それを現代のストーリーにアレンジしたのだ。実際のレベッカはとても素晴らしい女性だ。だからこそ"悪女"を演じる機会を楽しんでくれたのだ」
――ブライアン・デ・パルマ監督
英気を養うため数ヶ月、パリに滞在していたブライアン・デ・パルマ監督は一気に脚本を書き上げたようだ。それゆえ主役のロールのイメージは完全な像を結んでいた。だが肝心の女優探しは難航した。ハリウッドの超有名女優が何人も立候補してきたが、監督の狙いは新人だった。ミステリアスで、神秘的なオーラが必要だったのだ。圧倒的な美貌を持ち、いくつもの異なる顔を演じ分けられる新人。キャスティングが暗礁に乗り上げたときにオーディションに現れたのがレベッカ・ローミン=ステイモスだった。「幸運だった」というデ・パルマ監督をはじめクルー全員が一瞬にして彼女の虜になった。
ファム・ファタール劇中に上映シーンのある『イースト/ウェスト・遥かなる祖国』(レジス・ヴァルニエ監督)のサンドリーヌ・ボネールの姿も
《ファッション》シャネル、エルメス、フェンディ、イヴ・サンローラン、プラダetcといったカリスマ的なクチュリエの衣装が《運命の女》たちをエレガントに、セクシーに彩る。▼キャストロール&リリー/レベッカ・ローミン=ステイモス『X-メン』『ローラーボール』『X-MEN2』ニコラス・バルド/アントニオ・バンデラスブルース・ワッツ/ピーター・コヨーテ▼スタッフ監督&脚本/ブライアン・デ・パルマ音楽/坂本龍一撮影/ティエリー・アルボガスト『ニキータ』『レオン』『フィフス・エレメント』『ジャンヌ・ダルク』等日本語版字幕翻訳:古田由紀子原題:『Femme Fatale』2002年/アメリカ/カラー/ドルビー・デジタル/ヴィスタサイズ/1時間55分オリジナル・サウンドトラック盤ワーナーミュージック・ジャパンノベライズ「ファム・ファタール」角川文庫刊配給/日本ヘラルド映画
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