――ブライアン・デ・パルマ監督
英気を養うため数ヶ月、パリに滞在していたブライアン・デ・パルマ監督は一気に脚本を書き上げたようだ。それゆえ主役のロールのイメージは完全な像を結んでいた。だが肝心の女優探しは難航した。ハリウッドの超有名女優が何人も立候補してきたが、監督の狙いは新人だった。ミステリアスで、神秘的なオーラが必要だったのだ。圧倒的な美貌を持ち、いくつもの異なる顔を演じ分けられる新人。キャスティングが暗礁に乗り上げたときにオーディションに現れたのがレベッカ・ローミン=ステイモスだった。「幸運だった」というデ・パルマ監督をはじめクルー全員が一瞬にして彼女の虜になった。