テクノポップ/アーティストインタヴュー

傷だらけのアーバンギャルド(5ページ目)

インタヴューです! AKB総選挙も終わり、参議院選挙も近づく今日この頃、アーバンギャルド、7月9日に『傷だらけのマリア』をリリース! 皆さん、「傷だらけ」を表明していますか?

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

私ズルイ女なんです


ガイド:
「あした地震がおこったら」は、アーバンとしては珍しいラヴソング。これはどんな気分で作る事にしたのですか?恋をしているとか(笑)?

松永:
ラヴソング? うーんラヴソングというよりは、神の視点が混在しているのでアガペーソングと呼ぶのがしっくりくるかもしれません。

平和な日本ですが、いざとなったら脆いと思いながら、日々暮らしています。秋葉原の事件が二次元に限りなく近いヴァーチャルなテーマパークを切ったら血が出るリアルな事件現場へと豹変させたように、地震ひとつで多くのブロガーの日記が止まったり、mixiのログインが三日以上になるんだと考えていたら曲が出来ました。

東京という場所はビル郡やランドマークを指すのではなく、まず平和や安定を暗喩する記号なんです。それが「なかった」とき、張り巡らされた地下鉄や道路網にまで拡張された我々の身体性は時間的にも空間的にも分断されるのかなと。ラヴソングは見えないリスナー、あなたという幽霊に語りかける歌なので、その意味では第一義に、これはやはりラヴソングと呼べるかもしれません。

ガイド:
よこたんの声もカワイすぎる・・・ズルイくらい。

浜崎:
むふ。ぶっちゃけこの手のナンバーは18番ですので本領発揮というか、私ズルイ女なんです。得意ぶってやらせていただいております。が、得意分野のあまりにこだわり過ぎて何度もやり直ししてしまいました。

ガイド:
とても憎らしい小悪魔な発言・・・
素直に素晴らしく素敵なラヴソングです。実は、好きなんです、こういうの。ムーンライダーズの「物は壊れる、人は死ぬ 三つ数えて、眼をつぶれ」と並ぶ、カタスロフィック・ラヴソングです。

松永:
おお、『青空百景』。アヴァンギャルドの向こうに見える青い空ですね。「傷だらけ」の向こう側に夢と魔法の国があるとすれば、ひび割れた舗道を走るシビックのカーステレオから流れているのはこの曲に違いありません。

浜崎:
先生はロマンチストなんですね。私もこの曲、大好きです。
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