●▲モーニング娘。『恋愛レボリューション21』(2000年12月)
助手:
恋愛レボリューション21 |
研究生:
一般リスナー的な感覚が強いチョイスですから、助手にはかなり後ろめたいんですが(笑)。しかし、ハロプロがゼロ年代の通奏低音になり得たのは、やはり当時の彼女たちの活躍あってこそ。だから、僕も絶対外せませんでしたね!そしてこの曲を選んだ理由ですが、楽曲の良さももちろんのこと、曲が指し示すベクトルが印象的なのもポイントです。
「LOVEマシーン」やそれ以前のモー娘。って、J-ポップ・シーンをひっかき回すこと自体を最優先しすぎているようにも見えて。彼女たちの良さがその批評的スタンスにあるのは理解しつつも、シンパシーまでは抱けなかったんです。ところが「I Wish」(2000年9月)以降、モー娘。のベクトルは“周囲を否定するのではなく、すべてを受け入れる”というポジティブな方向へ変化していきます。つまり、“破壊者”から、シーンを担う“創り手”へとステップアップしていった。そして、この変化が僕のような一般リスナーへもはっきりと伝わってきたのが「恋レボ」という印象。だから、ここが彼女たちにとってのターニングポイントだったのかなと感じているんですねー。
先生:
ちなみに『恋レボ』は2000年のシングルトップ10には入っていませんが、2001年として5位に入っています。
J-ポップ的にはハロプロ全盛期で、2001年にかけて僕も結構記事を書いていたりして、批評したり、突っ込んだりするには盛り上がれる対象だったんだなぁと。ある時期以降、ハロプロ系の膨大なリリース量とメンバーの多さに着いていけなくなりましたけどね。振り返って、作曲家・編曲家という観点からいい曲を選んでみると面白いかもしれません。フカキョンをやっている元SPANK HAPPYの河野伸やELOネタの永井ルイあたりが、僕が選ぶと多くなりそうです。
じゃ、次回は2001年です。