テクノポップ/Perfume関連

Perfume対談~ワンルーム・ディスコ(4ページ目)

『love the world』に続いて、オリコン・ウィークリー1位に輝いた『ワンルーム・ディスコ』について、博士、研究生、小悪魔と共に分析。怪奇ディスコを思わせる不気味なイントロは素敵です!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

2階建て?

博士:
立方体のセット、コレ絶対、縦横錯覚的なギミックがあるぞって思ってたら案の定、後半で来たね! このセット、2階部分は合成っぽいですね。

先生:
博士が言っているように、あれは合成のようですね。「めざましTV」で30時間に渡るPV撮影の模様を報道していましたが、あのセットは1階建てでしたしね。

博士:
林檎がモチーフっぽいのですがあ~ちゃんが巨大化するまでは林檎かどうか解りにくい。また強大化の程度もやや中途半端な感があります。出来れば、もっとオーバーに、カメラ引いたらビルごと林檎だったか、数万個の林檎で3人埋もれちゃう位やってくれないと印象薄いです。

先生:
極端ですね~。ちなみにのっちの髪型が変カワイイですね。ボブが伸びて、内巻き巻き巻きになって、ちょっと三角おにぎりみたいで・・・かわいいです。

研究生:
1:50~54秒あたりで1階センターの部屋ではしゃぐかしゆかもめちゃくちゃかっこいい!僕にとって、本PV内かしゆかクライマックスです。

セットが安っぽく見える照明や、1:01あたりで転ぶのっちの大根役者っぷり(笑)が気になりますが、これはポジティブに捉えています。フェイク感を強めることで、スタイリッシュなキュートさよりも、アイドルらしいベタなかわいらしさを演出している。とても癒されましたね。

博士:
はしゃぎゆかは私も真っ先に目に付きました。

研究生:
博士もそこに目をつけておられましたか!嬉しいです!! かしゆかってこの手の表現が苦手そうなイメージだったんです。なのに、すごく魅力的に見せている。ときめいてしまいました♪

「リニアモーターガール」~「Dream Fighter」までのPVは、楽曲の世界観や振り付けをスタイリッシュに、キュートに見せるのが優先されていた印象です。ところが今作では、彼女たちの“アイドルとしての親しみやすいキャラクター”をアピールするのが目的のようです。そのための「ワンルーム・ディスコ」というお題とシチュエーション、ということなのかなと。ど真ん中アイドルのPVとしてのベクトルを持つ作品ではないでしょうか。

先生:
確かに今回のPVには近未来感はありませんね。

研究生:
今作PVの意義はPerfumeの「アイドル宣言」だと捉えています。“楽曲と振り付けがかわいい、アイドルっぽいガールポップユニット”とも解釈できるほど存在感が洗練されてきたことで、むしろ彼女たちの核が見えにくくなっている状況も生まれていたと思います。この現状で“本質はベッタベタアイドル”であることを表現したこのPVは大きな意味を持つのではないでしょうか。アイドルのままメジャーシーンでビッグになっていくドラマを提示するのは、彼女たちの大切な存在意義の一つだと思います。

ただし、Perfumeのかっこいい側面を求める層には、このPVは違和感があるのかもしれません。今作はレイドバック的な要素を含んでいるのでは?という印象です。2009年時点では、ディスコというワード自体がレイドバック的ニュアンスを含んできますから。演出も見ようによっては、1950年代前後のアメリカにおけるサバービア感覚のパロディにも思える。ただどう受け取るにしても、ポジティブな意味でのフェイク感は、今作でもしっかりキープされている印象ですね。

あと、PV冒頭(0:08秒あたりまで)が、なんとなくホラー風味なのが謎です。
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