テクノポップ/テクノポップ関連情報

笹公人の念力短歌トレーニング(3ページ目)

『抒情の奇妙な冒険』と『笹公人の念力短歌とレーニング』を発表したばかりの笹公人さんにインタヴュー! 宇宙ヤング、YMOへの思い、そして人を感動させる短歌など・・・語って頂きました。よろしく哀愁☆

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

抒情の奇妙な冒険

ガイド:
抒情の奇妙な冒険
『念力家族』『念力姫』(こちらは位置づけとしてバラエティ作品集なので正式な歌集としてはカウントしていないようですが・・・)、『念力図鑑』と念力三部作の後なのでてっきり念力で来るのかと思いきや、新しい歌集『抒情の奇妙な冒険』からは念力という言葉が無くなっていますが、その訳は?

笹公人:
「念力三部作」と銘打っちゃったので、次は変えようという単純な理由です。
作風は基本的に変わっていないような気がします。

ガイド:
短歌の時代的背景はかなり昔までさかのぼりますね。

三億円の話をすると目をそらす国分寺「喫茶BON」のマスター

三億円事件は1968年ですから、笹さんの生まれる前。僕は小学生でした。妙にリアリティのある妄想を感じます。読んでいて“妄想”という言葉が浮かんだのですが、あとがきで笹さん自身も“妄想”という言葉を使っていて、なるほどって感じました。短歌って、実体験やリアルタイムでなくても、成り立つんだ!と・・・新しい世界が開けました。

笹公人:
ありがとうございます。
自分の生まれていない時代をなるべくリアルに詠むために、今回の歌集では主人公(私)を現在40代中盤の世代の人に設定しました。自分がもしもあの時代に生きていたら、何を考えどう行動していただろう?というのがひとつテーマになっています。

山田太一先生が「寺山修司は「架空の私」を、笹公人は「他人のノスタルジイ」を手に入れた。」という帯文をくださいましたけど、この言葉がすべてを言い当てていると思います。流石です。

なりきりYMO!

ガイド:
「一九八〇年の教室」というお題では、やはりYMOが出てきました!

持ち出した箪笥を黒に塗りたくりYMOを演(や)る文化祭

ヘッドホンのコードを学生服に挿し無表情で弾くコズミック・サーフィン

なりきりYMO! この場合、ヘッドホンはあくまでもコスチュームなんですよね。

笹さん自身も宇宙ヤングとして「コズミック番長」というカヴァーをしていますが、やはり思い入れのある曲なんでしょうか?

笹公人:
そうですね。YMOで一番好きな曲は?と聞かれたら「コズミック・サーフィン」と答える時が多いです。その「コズミック・サーフィン」に勝手に詞をつけて十年以上歌っている「コズミック番長」ですが、実は、畏れ多くて細野さんにはまだCDを渡していません。ちなみにYMOのインスト曲すべてに日本語の歌詞をつけて誰かに歌わせてアルバムを出すのが僕の夢です。

とりさんのイラスト
四方さんがとり上げた二首は、YMOに捧げた歌です。 イラストを描いてくださった漫画家のとり・みきさんが、「3枚だけ笹さんのリクエストで描きます」とおっしゃってくださったので、そのうちの一枚は迷わずYMO短歌に決めました。とりさんは、YMO写真集『ピリオド』(徳間書店)で傑作YMO漫画を描いてますから、コアなYMOファンが見たら「おっ!」と思うはずです。

  • 前のページへ
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 6
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます