アナログ盤へのこだわり
ガイド:Frogmanとしてここだけはこだわりたいみたいなポリシーはあったのでしょうか? または、これだけはしないもあれば。
KEN=GO→:
最初の方はやたらに意気込んでいましたよね。とにかく、パーティがもりあがっても日本産の曲が全然かからない、機材やターンテーブルは日本産なのに…っていう残念なところをどうにかしたかったので、世界中でDJでかけてもらえるようにアナログ盤だけやるぞ、と言ってました。採算度外視でもカッコイイものをとか、誰もやってないことをやりたいとかは思ってましたね。なかなか実現しないし、そんなことやってると赤字ばかり増えますよ(笑)。
ガイド:
今回、Frogmanは冬眠(Cold Sleep)しちゃうということなんですが、これまでアナログ、CDと何枚リリースされたんでしょうか? アナログへのこだわりはやはり強かったのですか?
KEN=GO→:
ライセンスという形でほかのレーベルから出たものや、変則的なタイトルもあわせると、CDが約35枚、アナログは50枚くらいでしょうか。匂いや色カタチ含めてアナログである必要性はずっと考えてきましたが、ここ数年でコストのかかるアナログ盤を出し続けられるレーベル/アーティストはかなり減ってしまいましたよね…。DJ/クラブ業界にも大きな変化の波が来てます。
最初で最後のベスト盤
ガイド:では、今回のFrogmanの集大成とも言える『FINE: The Best of Frogman』についてお聞かせください。メガミックスCD付きの2枚組で2780円、しかもCD化が初めてのトラックや未リリース曲もあって、やっぱりレコードにこだわりを持っている人がコンパイルしたCDだと感じました。選曲する上で特に考えられたことは?
KEN=GO→:
14年も歴史があって、入れたい曲を全部集めたら5枚組とかになっちゃう(笑)。そこで、1枚はリスニング的な側面を重視して、自分でもちゃんと聴きたいと思っていたレア曲を入れたり、ニューリミックスを依頼したりして、古くからのファンのひとにも楽しんでもらえる盤にしました。全曲(Overrocketメンバーとしても知られる)渡部高士の手でデジタル・リマスターされてます。
2枚目は、古い曲も含め、ちゃんといまフロアで踊っているひとにも届けたいという気持ちがあって、DJミックスにしています。KAGAMIとかTOBYとか、もっと身近なテクノDJに頼むのが常道かもしれないですけど、あえて少し客観的にレーベルの歴史を見られて、幅広い音楽性をちゃんと偏りなくプレゼンテーションできるひと、ということでTAICHI MASTERにお願いしたんですね。
ガイド:
メガミックスの方は、TAICHI MASTERさんにお任せされたんですか?
KEN=GO→:
選曲は、ある程度僕がやって、少し多めに曲を選んだ上でざっくりとしたイメージを伝えて、さらにそこから膨らませてミックスを詰めていく部分をTAICHI MASTERにやってもらったという感じです。最終的なミックスには、Ableton Liveというソフトを使用しました。