細野さんに名前を付けてもらいたかったんですが・・・
ガイド:では、MICABOXとしての活動についてお伺いします。正確に言いますと、MICABOX feat. Ayako Takatoとして高遠彩子さんとの名義で2004年に細野さんのdaisyworldからアルバム『ひねもす』をリリースされていますね。MICABOXは「ミカボックス」ではなく「マイカボックス」と読むそうですが、意味とかあるのでしょうか?
amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
ひねもす(Hinemosu) |
02. OKITAMA
03. OIWAKE
04. ひねもす
05. TARCHO -ヒマラヤの朝 -
06. MAMURO "真室川音頭"
07. ア・ナ・タ・ニ・ア・イ・タ・イ
08. HARETARA -come shine or come rain-
09. 燕 -rice terrace dreaming-
10. 精霊の島
11. NITE TRIPPER~思い草
12. TAKUHI"隠岐島前神楽"
13. 有明
三上:
この名前は夫婦で札幌でいろんな活動をしていたときの名前で、連れ合いが付けました。直訳すると「雲母の箱」で、連れ合いが鉱物好きだったこととミカとも読めるので三上ともつながっています。daisyworldからアルバムをリリースするにあたって、細野さんに新しい名前を付けてもらいたかったんですが、「MICABOXでいいんじゃない」ということに。僕は「もう長く使っているので飽きてるんですけど」と食い下がったんですが「ぼくたちは飽きてないから大丈夫」ということでMICABOXになりました。ミカボックスと読まれても仕方がないので、そういうときは訂正しないでそのままにすることも多いです。
ガイド:
『ひねもす』はイギリス、オランダでもリリースされ、ワールド・ミュージック誌「SONGLINES」(2007年3・4月号)で見事4星を獲得されていますね。やはり、先進的なワールド・ミュージックはイギリスなどが受け入れてくれやすいのでしょうか?
三上:
多分、そうだと思います。マニアが多いというか、日本人より伝統的な日本音楽に詳しいかもしれません。フランスの方がもっと受けるだろう、とよく言われます。
ガイド:
アルバムを作る過程で細野マジックといった体験があれば、ぜひ聞かせてほしいのですが。
三上:
今回はサウンド・トリートメントという作業をしてもらい、主にその頃面白がっていた音響系プラグインソフトで処理をしてくれたようなんですが、「OIWAKE」ではかなり音を加えてくれて、それがまさに僕にとっての「細野さん」だったので感激しました。もともとベースを入れていない曲で、エレピの低音でその代わりをしていたのですが、かっこいいベースを入れてくれました。やっぱりベースがないと物足りなかったんでしょうね。
また「MAMURO」ではボーカルトラックをほんのわずか後ろにずらしてビミョーなグルーヴを生んでいるんですが、これは「ディアンジェロのやり方だよ」と言っていました。研究しているんですね。
ガイド:
高遠さんとは、細野さん繋がりで環太平洋モンゴロイド・ユニットとしてご一緒されていましたが、どのような活動をされたのでしょうか?
三上:
98年の伊勢・猿田彦神社「おひらきまつり」の時にモンゴロイドユニットの福澤もろさんが体調不良で参加できなくなり、ちょうどその頃細野さんにその存在がインプットされていた高遠さんが急きょ呼ばれてボイス/ボーカルとして参加しました。それからはレギュラーメンバーとして奉納演奏系で活動しています。
僕は長い間、自分の曲を歌える人に出会えないでいたんですが、彼女なら歌えそうなので頼んでみたら、面白がってくれて今日に至っています。
ガイド:
土着的アジア感があるエレクトロニカ的作品ですが、特に“和”の部分が新鮮です。お囃子、音頭、お神楽・・・お囃子的リズムの「OKITAMA」を聴いていると、YMOの「Rap Phenomena」を思い出しました。YMOからの影響は強いのでしょうか?
三上:
実際はYMOはあまり聞き込んではいません。細野さんの音楽の影響が一番強いと自分では思っています。次が民俗音楽で、その次がフォークジャズ、そしてロックという順番でしょうか。