水族館レーベル
ガイド:陽気な若き博物館員たち |
三上:
はい、和田さんがいたからです。
ガイド:
アルバムには、「収穫の季節」と「ポーランド」の2曲が収録されていますね。特に「ポーランド」は好きです、ニューウェイヴなんだけど、ファンクでブルースな感じがあって異彩を放っています。バンドとして、この時期、目指していたものとかはあったのでしょうか?
三上:
曲を作った内海謙一はもともとベイカーショップ・ブギというソウル、R&Bのバンドにいて毎晩ディスコに箱バンで出ていたような人なので、もともとはブラックミュージックが下地にあります。でもそれに飽きてバンドを脱退して和田さんとQUOTATIONSを作ったので、最初は黒っぽい要素は出さないような曲作りをしていました。ニューウェーブの影響は大きかったです。でも、次第にまたR&Bが前面に出てくるようになりましたが。
QUOTATIONS~細野さんが参加
ガイド:宝島 |
三上:
QUOTATIONSを抜けて東京に戻った和田さんが一時細野さんのマネージャーをやっていたので、僕はその時に知り合いました。84年くらいでしょうか。そのあと、僕がアイヌの歌にバックトラックを付けたDeep Forestのような曲を92年頃に作ったのですが、それを細野さんに渡してくれた人がいて、細野さんに認知され、93年の「ONONNO」という青森のイベントでアイヌ音楽のコーディネイトをした時から本格的なおつき合いが始まりました。
96年にリリースしたQUOTATIONSのミニアルバム『music from cool city』からはニューオリンズR&Bの感覚がメインになってきたのでニューオリンズ好きの細野さんが気に入ってくれ、98年の『宝島』では「演奏したい」と言ってくれました。95年から細野晴臣&環太平洋モンゴロイドユニットや細野晴臣&Ether Vibesのメンバーとして一緒に演奏していましたから、お願いするのは簡単でした。このアルバムでは、細野さんはベースではなくキーボードで参加してく れ、それだけでも珍しいのに、今までの細野さんの演奏ではなかなか聞くことの出来ないエモーショナルなオルガンプレイやアコーディオンが聞かれて細野ファンには必聴だと思います。