90年代のテクノドルは宍戸留美

ピコ エンタテイメント
真性テクノアイドルのグループ編では、90年代を不作の時代としましたが、ソロ編では違います。それは宍戸留美のせいです。90年代と言えば、1993年のYMOの『テクノドン』での再生が思い出されます。そのテクノ再生の時流で発刊された雑誌がSony Magazineからの「ピコ エンタテイメント」。当然のごとく「YMO再生」を特集としていますが、テクノドルとして紹介されているのが、細川ふみえ(フーミン)と宍戸留美。

90年代のテクノ歌謡では石野卓球や小西康陽がキーマンであり、その両者がサポートしているフーミンはテクノアイドルと言えましょう。石野卓球つながりでは、篠原ともえ、小西康陽つながりでは芳賀ゆいなんかもテクノアイドル。楽曲やキャラのテクノ度という点からは、宍戸留美が真性テクノアイドルに一番相応しいと考えます。そう言いながら、脳が溶けそうなフーミンの楽曲とキャラは、理性抜きで大変魅力的なんですが。『にゃぁあ ! 』でデビューした歌手でもある“ほしのあき”などのルーツと言えましょう(ただ、楽曲はテクノでない)。

地球の危機
宍戸留美=テクノアイドルというイメージを定着させた曲が、4枚目のシングル『地球の危機』です。ジャケからは眩しいオーラが出まくっています。サウンドもテクノですが、作曲・編曲をした福田裕彦はもともとテクノな作風で知られる人ではない。作詞はパパイヤ・パラノイアの石嶋由美子。パパイヤ・パラノイヤは、1982年にデビューしたパンクなガールズ・ロック・バンド。このお二人がある意味暴走し、世紀末を予感させる宇宙スケールのテクノ歌謡を作り上げたのです。現在も活動するパパイヤ・パラノイアがその後、テクノなサウンドへ傾倒していくのも偶然とは思えないです。

アイドル・ミラクルバイブルシリーズ 宍戸留美
数だけから言えば、宍戸留美の作品にはテクノというよりもガーリーなものが多いのですが、往々にして暴走しているのです。それが彼女の魅力であり、カルトな人気を得た理由だと思います。

アイドルとしては、初のインディーアイドルとなり、現在も歌手として活躍中。また、映画「NANA」でも意地悪なOL、坂上役で登場しています。「地球の危機」など彼女はアルバム未収録のシングル曲があるのですが、それらを収録して『アイドル・ミラクルバイブルシリーズ 宍戸留美』(2005年)として見事CD化されています。しかし、このジャケは何とかならない物か? ちなみに、彼女のBlogによるとこのCDがリリースされた際、彼女には何の連絡もなかったそうです・・・


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