テクノポップ/テクノポップ基礎知識

真性テクノアイドル(グループ編)(2ページ目)

真性テクノアイドルの中でもグループについて解説します。80年代にテクノポップの潮流の中から生まれた愛すべきテクノアイドルたち。21世紀に広島から現れたテクノアイドル・グループとは誰だ?

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

宇宙三銃士・スターボー

テクノ歌謡コレクション~Polydor編 ハートブレイク太陽族
80年代を代表すべきテクノアイドル・グループと言えば、スターボー。アイドルなんて言うと失礼かもしれません、彼ら(性別不明)は宇宙人なんですから。謎の宇宙服を着て、鉢巻、そしてテクノカット。後にも先にもテクノカットしたアイドルは彼女達だけしか知らない。命名者でもある細野晴臣により『ハートブレイク太陽族』(1982年)という不朽の名作を地球に残してくれたのです。そして、栄誉ある『テクノ歌謡コレクション~Polydor編 ハートブレイク太陽族』の主役を飾るわけです。

たんぽぽ畑でつかまえて
01. プロローグ
02. 月世界ナイト
03. TOKYOベイ・ブルース
04. 火星のプリンセス
05. 100億光年の恋人
06. ハートブレイク太陽族
07. エピローグ
08. たんぽぽ畑でつかまえて
09. 踊れLA・TA・TA
10. センチ メタリック ナイト
11. 摩天楼パラダイス
12. テレパシー ライダー
13. CAN'T SLEEP
14. WA・KA・RE


彼女達の唯一のアルバム『STARBOW I』(1983年)は、ジャケこそ非テクノですが、A面(トラック1~7)は松本隆=細野晴臣=清水信之(平松愛理の旦那さんですが、テクノなアレンジ作も多し)による壮大なる宇宙を舞台にしたテクノ・コンセプト・アルバムとなっております。しかしながら、当初の志の高さは何処へ行ったのか、スターボーはたんなるキャンディーズもどきに成り下がります。サポート陣も一新され、B面(トラック8~14)は、はっきり言ってつまらない。なんとなく宇宙っぽく頑張っている曲(「踊れLA・TA・TA」)もあるんですが、基本的に凡庸なるアイドル歌謡の域を出ていません。元々アイドルのオーラが欠けている3人ですから、これはつらい。

なお、このアルバムは、『たんぽぽ畑でつかまえて』として1999年に強引に「電子音楽イン・ジャパン」シリーズの一角としてP-VINEよりCD化されています。

Dislocation Dance Rock
折角ですから、カヴァーも紹介しましょう。大阪のORANGE RECORDSからリリースされたTHE ORANGERSの12インチ『Dislocation Dance Rock』(1999年)のB面に「HEART BREAK TAIYO-ZOKU in FRANKFURT 1993」が収録されいます。とってもジャーマンテクノな出来なんですが、このカヴァーのセンスは大大大好き。裏ジャケには、振り付けも懇切丁寧に載せています。
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