ダンボール・バットの生い立ち
2004年6月30日ライヴ |
きっとバンドが売れないのはこんなヘンな名前のせいだ・・・と、改名しようと何度悩んだことか!!ダンボールは段ボール、バットはコウモリではなくて、野球のバットのほうです。で、なんでこの二つの言葉が思いついてくっついたかって今もナゾなんです。多分、とにかく「無意味」な名前にしたかったんだと記憶してます。これ以上、お答えのしようがないので許してください(笑)。
ちなみに「突然段ボール」とは何の関係もありませんが、湯浅学さんを通して、2度ほど、幻の名盤解放同盟がらみのイヴェントでご一緒させていただいたことがあります。
――現在バンドはロック魂溢れる7人構成ですが、1986年に始められた時は宅録ユニットだったみたいですね。この頃はよりテクノポップだったのでしょうか?
当時のナゴム・レコードとか、その辺の音に近かったかもしれません。ろくな機材もありませんでしたから、かなりローファイなサウンドでした。人力エレポップ風なのもありましたが、すでに色々なタイプの変な曲を作ってました。たとえば、ミニマルなガムラン風なオケの上にユル~いサンタナみたいなギターが延々とソロを弾いてるだけの「農夫と水牛」なんて曲もありました。当時は二人組みの宅録ユニットだったので、ゼイ・マイト・ビー・ジャイアンツあたりも多少視野に入っていたかもしれませんが、それよりも、フライング・リザーズの♪「サマー・タイム・ブルース」のチープさや、ドイツのアタタック・レーベルのデュオ、ロスト・グリンゴスの♪「ニッポン・サンバ」のウサン臭さに共感を覚えていた記憶があります。(実際、当時アタタックにデモを送るも、後日ボロボロになったカセット・テープが戻ってきた。)
カクテルロックとは?
2004年11月23日ライヴ(phote by Yukie) |
ヒトに、どんな音楽やってるんですか?って聞かれても一言で説明できないわけですよ。で、苦肉の策として命名したのが「カクテルロック」というわけなんですが、余計分かりづらい・・・と(笑)。カクテルって、まあ、色々なものを混ぜ合わせて(MIXして)作りますよね?で、そこから、イコール、ジャンルの坩堝・・・色々な要素のサウンドが混ぜ合わさって、まるでカクテルの如く成り立ってるのがウチのサウンドの特徴なんです。かなり消化不良気味ですけど(笑)。
で、なんで、こんなゴチャ混ぜなサウンドになってるかって言いますと、バンドのオリジナルは全曲オレが作詞作曲してるワケですが、そのオレの普段の音楽の聴き方ってのがこれまたゴチャ混ぜだからです。例えば、ロキシー・ミュージック聴いた直後に、ぴんから兄弟聴いて、次にジャック・ブレル聴いて、エア・プレイ聴いて、三上寛聴いて、ジャン・ミシェルジャール聴いて、キンクス聴いて、イモ欽トリオ聴いて・・・・って、そういう聴き方がオレにとってはごく当たり前。たしかに、自分の得意とする年代、ジャンルはありますが、基本的にはボーダレス。純粋に「音楽」が好き。自分のアンテナにピンっ!と引っかっかったモノはハード・ロックだろうが津軽三味線だろうが、ダブだろうが、なんでもウェルカムです。で、そうしますと自分でも色々なタイプの音楽がやりたくなってくる。で、じゃ、次は、ロキシーっぽい曲作ろう、とか、じゃ、エア・プレイっぽい曲作ろうとかって自分の中で計画を立てて新曲のデモ作りに臨むワケなんですが、ところが!、実際出来上がった曲は、全然ロキシーっぽくないし、エア・プレイからはほど遠い、ってのがだいたいいつものパターン(笑)なんですよ。つまり、オレの耳や目や皮膚を伝わって入って来た元のサウンド(情報)が、オレというフィルター(かなり歪んだ・・・)を通過することで、全く別のウンコ、いや、サウンドとなって姿を表す。つまり、その本物との間に生じた「ズレ」が、結果的にダンボール・バットのどこかウサン臭いカラー(個性)となって、イコール、それが「独自のロックの美学」ってことになっているのかもしれません。
あと、「ロックの様式美」ってあるじゃないですか?必ずこの辺でギター・ソロが入って、こういう展開の次はこうなって、とか・・・。そういうロック史上散々使い古されてきたロックのスタイル=「様式美」とかも大好きなんです(笑)。メンバーからは「そんなのダセェー!」とか「今時誰もやらないよ!」とか散々不評を買いながらも、「だから、いいんだよ!」って感じで有無を言わさずアレンジします。「高橋ユキヒロっぽいオカズ入れて!」とか「ソフト・マシーンのファーストみたいなオルガン・ソロで」とか無理な注文出したりもしばしばです。