最新アルバムに至るまで
――『Stadtkind』(2001年)と『Berlinette』(2003年)に続く、最も新しい3枚目のアルバム『Thrills』(2005年)について尋ねさせてください。このアルバムの主要なテーマは、何ですか? テクノの一種の新しい解釈だと感じました・・・テクノですが、より感情的で感性に富んでいると。amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
01. Come
02. The Brain Is Lost
03. Your Body Is My Body
04. Naked Rain
05. Washing Machine Is Speaking
06. Down
07. Ghost Train
08. Cloudy City
09. She Is With Me
10. Magma
出来上がりにはとても満足しています。今回のアルバムは、自分が今までに作った最高のエレクテックです! テクノとは、愚かな低音の連発以上のものです・・・他の音楽からもとても多くのインスピレーションを得ました。テクノとは、自分の引き出しの一部にすぎません。もちろん、それはとても感情的であったりしますが、テクノと呼ばれるそのチャンネルを通して私の感情と考えを表現するため、典型的なものなのでしょう。それ以上に重要な事として、私は現在、自分の仕事に満足できるポイントに達することがより容易になってきました。
音楽的に、私は、DJ、BPitch Control、私のプライベートの間で切り替えをします。現在、何をできるか、そして物事を動かす方法を知っています。デビュー・アルバム『Stadtkind』は、自分の都市であるベルリンへのラヴレターであり、自分自身を都市の一部として受け入れています。例えば、どうしたらここで堕ちこぼれないで生き残れるか。『Stadtkind』を製作した時、あのサウンドを作るのは技術的にとても難しかったです。今までこのようなサウンドを手がけた事が無かったSmash TVとの最初のプロダクションで時間もかかり、私たちは共同で最初のステップを踏んでいったのです。
『Berlinette』は、一種の最先端である以上のものです。とても実験的で、世界中の私の友人への感謝の意が込められています。『Stadtkind』~『Berlinette』の後で多くのツアーをしましたが、ツアーはそれら全ての表現だったのです。
2枚のアルバムでの成功を手に入れた後で、私は、立ち止まって、自分捜しをする事に決めました。それが、『Thrills(=ゾクゾクさせる事)』です。そして、全てのアルバムを繋ぐのは、私の人生を反映しているという事です。人生の何処にいるのか、どのように生きるのか・・・それらは私の音楽的なそしてプロとしての発展と同様に、私の個人としての発展の鏡でもあります。ゾクゾクするのは、音楽の広さと過剰な部分、レーベルを運営するというトリップ、生き生きしていく事、私たちが幸福なように最愛の人を愛する事。時差ぼけや皮膚感覚が無くなって、眠りにつけない事。ゾクゾクするのは、私の前で人々が完全におかしくなっちゃった時、同じものを探しているから心臓で一緒であるといく気持ちがだんだん大きくなる時。ゾクゾクするのは、自分の人生そのもので、内面から来た結果。テクノは1990年に私をゾクゾクさせてくれましたが、テクノは現在もなおゾクゾクさせてくれます。
――どのようにヴォーカル曲とインスト曲を決めたのでしょうか?
今回、ヴォーカルは楽器のように使っています。それが『Berlinette』との違いです。『Thrills』では、ヴォーカルはムードや雰囲気を表すためのものです。また、ヴォーカルは、機械によって製作された音楽への人間的な感触を持たせてくれます。
――このアルバムで使われたヴィンテージ・シンセサイザー「ARP 2600」は、e-Bayで探したらしいですね。ARP 2600のどこが好きですか? どのように、今回のプロダクションに貢献しましたか?
たくさんの影響を与えてくれました。温かく、人間的で、アナログなサウンドを作り出します。誰も、ARPでの次の音を予見することができません。別のタッチを私の音楽に入れるよう試みたのです。今のところ、コンピュータでのみプロダクションすることは、普通であり、いいプログラムがあります。しかし、皆が同じプログラムを使えば、同じプラグインを使えば、皆はよく似たサウンドになってしまいます。それを取り除きたかったのです。ただマウスを動かして、本当にスクリーンの前で不動の状態でいる事に飽きしまいました。他の何も起こりません。ARPで私は、動いて、踊って、つまみを回し、ボタンを押していました。機械と私の間の直接接触で、制御を失う事ができました。それは、アートをするために必要です。潜在意識に話させるのです。