企画のハードル
――トリビュートやカヴァー企画を自分たちだけの手でやってみたいと方も少なく無いと思います。著作権関連の手続き、CD製作の手法、及び製作費などについてどのようにハードルをクリアされたのかを今回の経験に基づき語っていただくとありがたいです。私も音楽制作については全くの素人でしたので、その制作方法を学ぶと共に実際、音楽製作をされている方、音楽製作の現場におられる方の協力が必要であると感じ、アドバイザーしてHiroshi Hirose(Archdelic)氏、すでにプロとして活動されている遠藤雅章氏を招きました。スタッフについては、私を含め8名おりMLを通して、連絡、議論を交わしました。著作権、CD制作の手法等はほとんど問題ありませんでしたが、制作費と配布枚数については議論に一番時間を費やしました。非営利の為、全くの利益を出さないこと、かといって赤字を出すのも問題でしたし、第一、予算の確保が問題でした。予算についてはスタッフ、参加アーティストによる先行出資で確保し、最終的には配布した全ての人の相互負担により、減価償却する形となっております。
――14曲中、10曲は、YMO時代を含めた1986年以前の作品ですね。リアルタイムでYMO及び初期坂本龍一作品を聴かれていた方のカヴァーもあるのでしょうか?
このトリビュートに参加されたアーティストの方は19歳の学生の方から、39歳の方まで世代は様々です。YMO、坂本龍一氏の初期作品を体験されている方も、もちろんいらっしゃいますね。
――選曲、仕上げに関してはどのように関わっていかれたのでしょうか?
選曲、楽曲製作については、スタッフは全く関わっておりません(^^; 全てアーティストの皆さんのお任せでした。私個人としては、必要な連絡をしたりとか、アーティストの皆さんの質問に答えたりとか、スタッフ間の連絡をしたりとか・・・その他、事務手続きがほとんどですね。でも、曲順は私が決めさせていただき、至福の喜びでした(^^ゞ
――やりたい曲が重なって、調整する必要はあったのでしょうか?
あるだろうと私も思っていたのですが、アーティストの方々それぞれ、選曲に思い入れがあり不思議と重なりませんでした。驚きました!