テクノポップ/アーティストインタヴュー

アーティスト・インタヴュー~Part 33 クリシェ~ブラジル歌謡トロニカ(2ページ目)

ブラジル音楽を母に、エレクトロニカを父に、あくまでも歌謡であるのがクリシェ流。11月19日に、セカンドアルバム『an optimist』をドロップ!したクリシェの平出さんとやなぎださんにインタヴュー!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

にごり

HMVにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。
――デビューアルバム『にごり』(2002年)の帯には堂々と「音響+ブラジル+歌謡+ヒーリング」と書いてありますが、あえてヒーリングに対してアンチな姿勢を表明した理由は?

【やなぎだ】当時「癒し系」とかはやってて。

【平出】でもあまり音楽で癒されたことない。気持ちいいけど、癒されるっていうのとは、ちょっと違うような気がします。どんなときも刺激的でありたい。

【やなぎだ】それだけでまとめられるのは嫌だよね。

【平出】ぞっとします。

――ブラジル音楽は大変奥が深く、ジャンル的にも細分化されていると聞きますがが、どの辺が基調となっているんですか? ボサノヴァぐらしか知らないのですが?

【平出】ボサノヴァではないよね?

【やなぎだ】ない。

【やなぎだ】もっと闇が見え隠れするような音楽。

【平出】そうそう、ボサノヴァでも冷えたのあるよね。

【やなぎだ】Edu Loboとか好きです。

【平出】Milton Nascimentoの70年代とか。

【やなぎだ】そう。Airto Moreira / Identityも大好き。平出さんはHermeto Pascoalとかも好きね。

【平出】私はIvan LinsとかAC系のものも好きですが、そのIvanでもやはり70年代の冷えたやつが好きです。

――私的には1曲目の「蜜」の憂いのある部分に惹かれました。ブラジル系エレクトロニカという部分に加えて、(いい意味で)歌ものとして完成しているところが好きです。ヴォーカリストとして目指されている事は?

【やなぎだ】すごいメロディとか不気味ですよね。音も雅楽の笙(しょう)とかの感じがだしたくて。

【平出】神社とかのあのものすごいひんやりとした空間の空気みたいのね。それと歌、それ自体で評価されるのは、やっぱうれしいですね。エレクトロニカ系って全部じゃないけど、やっぱりコンポジションに不満の残る部分があるから。

【やなぎだ】刺激的な音楽はどうしてもインストが多いけど、歌がないと自分はリスナーとしてやっぱりだめで。でも日本では歌が重視されてて歌のトラックが大きいとか、歌詞が重要だとか。そうではなくてもっとサウンドの中に溶け込むように、自然になじむように歌いたいと思っています。
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