今回のコンピ企画のテーマは、ラヴ・ソング。シリーズとして連載する予定です。実は、ガイドになるまでの選考プロセスというのがあって、その課題の一つして今回とほぼ同じテーマで記事を書いた事があります。しかし、長い間封印していたんです。重い腰を上げて、大幅に選曲をしなおし書き直してみました。自分で持っていても、なかなかラヴ・ソングと言っても、直ぐに思いつかないので、選曲は意外と難航しました。

巷では、ラヴ・ソングはコンピレーション企画の定番の一つです。BGMファンハウスからは、『Kiss』、ユニバーサルからは『Tears』『LOVE BALLADS』、東芝EMIからは『失恋ソングス』、avexから『TRUE LOVE』、Sony(米国)からは『Love Songs』など、その多くがシリーズとしてリリースされています。海外リリースを含めれば、かなりの数になるでしょう。

テクノポップ(モダンポップを含む)のガイドとして、ラヴ・ソングのオムニバスを作るとどうなるだろうとレーベル枠などは無視して、架空コンピレーションを作ってみました。では、その第一弾『愛ゆえにラヴ・ソング』・・・

amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
01. Howard Jones: No One Is To Blame
アルバム『One To One』(1986年)は、初期作品ほど評価されませんが、この曲は別格。ラヴ・ソングって、メロディーが重要ですが、歌詞はさらに重要です。直接的な表現ではないが、いや直接的でないゆえに意味が深いのこの曲の歌詞。アメリカ人にはあまり見られないイギリス人的な味わいです。テーマは、叶わぬ望み・・・「メニューは見れても、食べられない」から始まる。2003年11月にリリースされた最新の2枚組コンピレーション『Very Best Of Howard Jones』には、もちろんこの曲を含めた彼のヒット曲(「What Is Love」など、やはりラヴ・ソングが多い)、レア曲、そして新録の「Revolution Of The Heart」などを収録。

02. The Human League: Human
ヒューマン・リーグのアルバム『Crash』(1986年)は、『Dare』(1981年)の後の起死回生のアルバムです。名R&Bプロデューサーのジャム&ルイスの威を借りたアルバムと揶揄する事も出来ますが、ジャム&ルイスの書いたこの「Human」は、ヒューマン・リーグが歌ってこその名ラヴ・バラードです。テーマは、愛の懺悔。何か懺悔するべき事があれば、これで許しを請いましょう。「僕も血と肉で出来たただの人間なんだよ 過ちを犯すために生まれてきたのさ」・・・あと、同アルバムからの「Love Is All That Matters(愛こ
そ愛)」も捨てがたい。

03. GANGWAY: My Girl And Me
アルバム『Sitting In The Park』は2種類あります。両方に収録されていますが、1984年の通称「early version」とジャケ写に使った1986年の「Again!」。前者は、ネオアコ系、後者はデヴィッド・モーションのプロデュースによりエレアコ系(エレポップとネオアコの中庸)へと変容。転調しまくりのこの名曲の歌詞はかなり婉曲で、解釈が難しい。飲み友達への愛? ネオアコ系って、ラヴ・ソングの宝庫だと思うんで、もう少し調査が必要ですね。

04. Fra Lippo Lippi: Shouldn't Have To Be Like That
日本語のタイトルは、「傷だらけの心」。アルバム『Songs』(1985年)より。日本でもそこそこヒットしました。バンド名は、イタリア語のようですが、ノルウェーのデュオ。初期はネオサイケ系ですが、叙情派エレアコへと進化。流石、ノーウェジアン・ポップと言える切なさ全開。ZABADAKも「水のソルティレージュ」のタイトルでカヴァー。