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退廃的美学論~Part 1 美形のオトコたち~グラム編

ロック・ポップ界で美形のオトコと聞かれて、誰を思い浮かべるでしょう? やっぱり、デヴィッド・ボウイ。彼に始まるグラム期とそれ以降の美形のオトコたち特集第1弾。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

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サブタイトルをつけるにあたって、ちょっと悩みました。唐突に「The 美学」は無いだろう・・・と言うことで、ディーヴォのアルバム・タイトルをパクった事を白状します。

さて皆さんは、ロック・ポップ界で美形のオトコと聞かれて、誰を思い浮かべるでしょう? 何が美形かというのは、個人の主観、男女差、世代差があると思われますが、僕も含めて、やはりデヴィッド・ボウイと答える人は100人中30人くらいはいるのではないでしょうか? 僕は興味ありませんが、Gacktも多分上位にランクインするんでしょうね。

amazon.co.jpにあるCDは、ジャケ写からリンクできます。(amazon.co.jpにない場合、海外のamazonや他の通販サイトへ)
ブレイクに至るまで結構苦労人のデヴィッド・ボウイですが、グラム・ロック全盛期の象徴的存在でした。オトコのナルシズムが炸裂するグラム、お化粧や派手な衣装で着飾るグラム、文字通りグラマラスなグラムなんですが、意外と同時期に美形と言える人たちは少ないです。マーク・ボランも美形って感じじゃないし。イギー・ポップ然り。ブライアン・フェリーはダンディズムの美学を感じるが、美形とはまた違う。グラム期のボウイの代表作と言うと、「Starman」がヒットしたアルバム『The Rise And Fall Of Ziggy Stardust(ジギー・スターダスト)』(1973年)でしょうが、今回の企画は美形と言うテーマのジャケ企画なんで、カヴァー・アルバム『Pin Ups』(1974年)をセレクト。前年の『Aladdin Sane』、その後の『Diamond Dogs(ダイアモンドの犬)』でも、長い襟足にトップが短い同じ傾向の髪型。ちょっと間違えると兵藤ユキになってしまうので、真似をする時はくれぐれも気をつけよう。

中性的、よりカッコをつけて言うと両性具有的なイメージのデヴィッド・ボウイでしたが、ベルリン三部作の第1弾である『Low』(1977年)から、ヨーロッパのデカダンなイメージでこれから来る時代を透視しているかのよう。サウンド的にも、グラム~プラスティック・ソウル期を経て、ブライアン・イーノをプロデューサーに迎えてジャーマン・ロックの影響下、プロト・ニューウェイヴと言える内容を展開。

前作と同じくベルリンで録音された『Heroes(英雄夢語り)』(1977年)。このジャケは、後にYMOの『Public Pressure』などの仕事を手がけるフォトグラファー、鋤田正義が撮影したもの。ボウイが一番売れていた時期ではないけど、個人的には一番好きですね、この辺りのボウイが。でも、あまり懐古的になってはいけない。ボウイは、トニー・ヴィスコンティをプロデューサー(前回に続いて)に迎えてニュー・アルバム『Reality』(2003年)にツアーに現役バリバリですから。
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