「ドレッド(レゲエのヘアスタイル)とパンク・ロックの出会い」というサブタイトルが付けられたオムニバス『Wild Dub: Dread Meets Punk Rocker』(2003年) を紹介します。ポストパンク~ニューウェイヴの時代には、異種交配が盛んに行われました。その中でも顕著なものが、ポストパンク勢が積極的に取り入れたダブ・サウンドです。このオムニバスのタイトルとなったGeneration Xの「Wild Dub」は、1977年に既にパンク勢としてダブを取り入れています。
ジャマイカをはじめとしたカリブ海の音楽はカリプソ。そして、文字通り「スカチャカ」のギターがかき鳴らすサウンドを元にしたスカが1950年代後半に生まれます。1960年代後半には、よりロックに近づいたロックスティディへと進化し、その直ぐ後にボブ・マーレーに代表される土着性の強いビートを語源とするレゲエへと向かいます。1970年の初頭には、ダブマシーンによって過剰なエコーとリヴァーブ処理がされたダブが生まれるわけです。ダブはエレクトロ版レゲエとも言えます。そして、1990年代にはラガ、ジャングル、ドラムンベースへと変異をしていくわけです。ライナーノーツは、元フライング・リザーズのヴィヴィアン・ゴールドマン自身によって書かれており、当時のパンク~ポストパンクに於けるダブの功績について綴られています。
01. The Ruts: Jah War
02. The Clash: Bankrobber (Dub Version)
03. Generation X: Wild Dub
04. Basement 5: Immigrant Dub
05. Killing Joke: Turn To Red
06. 4 Be 2: One Of The Lads (dub)
07. The Slits: Typical Girls (Brink Style dub)
08. Vivien Goldman: Private Armies (Dub)
09. Red Beat: Red Beat
10. PIL: Death Disco
11. The Pop Group: Where There Is a Will
12. Stiff Little Fingers: Bloody Dub
13. Grace Jones: Private Life (dub)
好評なら、元祖の次は現在の変態ディスコに関する記事も企画したいと思います。
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