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『夢みるシャンソン人形』は、古くから数多くの日本の歌手たちにカヴァーされており、ある意味での和風フレンチの原型と言えるでしょう。弘田三枝子、伊東ゆかり、中尾ミエ、ザ・ピーナッツ、越路吹雪、ミッチー・サハラ、浅田美代子、小林麻美、ブリッジ、チョコレート・ファッション、加藤紀子、gml(『ラジオスターの悲劇』もカヴァーしているハイパー・ダンス・テクノ・ユニット)、クミコ、Les MAUVAIS GARSONNESなどがカヴァーしています。そう言えば、後藤真希のシングル『サン・トワ・マミー』は、越路吹雪もカヴァーしたアダモのシャンソンですね。個人的には、石川梨華の『夢見るシャンソン人形』なんてのもありと思います。
小林麻美は、筒美京平作でもある『初恋のメロディー』(1972年)でデビューしたころは、五十嵐有紀や浅田美代子の系譜上にあった音程破壊系アイドルでした。浅田美代子も小林麻美も『夢見るシャンソン人形』をカヴァーしていることも、無関係ではないでしょう。その後、松任谷由美の日本語詞によるガゼボのカヴァー曲『雨音はショパンの調べ』で、フレンチ系またはアンニュイ系女優兼歌手として、約7年ぶりに見事にカリスマ的にカムバックした。当時、小林麻美と言えば、「an an」の表紙のいい女って感じがありました。
他にも、押さえておきたい『夢見るシャンソン人形』を幾つか紹介します。
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