テクノポップ/海外のテクノポップ

和風フレンチ・カヴァー(2ページ目)

ミシェル・ポルナレフ、ゲンスブールなどが影響を与えた和風フレンチをご賞味ください。『シェリーに口づけ』と『夢見るシャンソン人形』は定番メニューです。(1月22日にMAD FRENCH情報追記)

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

『夢見るシャンソン人形』は、フランスのアイドル調教師、セルジュ・ゲンスブール(ゲンズブールとかゲーンスブールとかゲインスブール表記されることもある)がコケティッシュなアイドル、フランス・ギャル(ジャケ写は『夢見るフランス・ギャル』)に歌わせたフレンチ・ロリータ・ポップの定番です。

『夢みるシャンソン人形』は、古くから数多くの日本の歌手たちにカヴァーされており、ある意味での和風フレンチの原型と言えるでしょう。弘田三枝子、伊東ゆかり、中尾ミエ、ザ・ピーナッツ、越路吹雪、ミッチー・サハラ、浅田美代子、小林麻美、ブリッジ、チョコレート・ファッション、加藤紀子、gml(『ラジオスターの悲劇』もカヴァーしているハイパー・ダンス・テクノ・ユニット)、クミコ、Les MAUVAIS GARSONNESなどがカヴァーしています。そう言えば、後藤真希のシングル『サン・トワ・マミー』は、越路吹雪もカヴァーしたアダモのシャンソンですね。個人的には、石川梨華の『夢見るシャンソン人形』なんてのもありと思います。

小林麻美は、筒美京平作でもある『初恋のメロディー』(1972年)でデビューしたころは、五十嵐有紀や浅田美代子の系譜上にあった音程破壊系アイドルでした。浅田美代子も小林麻美も『夢見るシャンソン人形』をカヴァーしていることも、無関係ではないでしょう。その後、松任谷由美の日本語詞によるガゼボのカヴァー曲『雨音はショパンの調べ』で、フレンチ系またはアンニュイ系女優兼歌手として、約7年ぶりに見事にカリスマ的にカムバックした。当時、小林麻美と言えば、「an an」の表紙のいい女って感じがありました。

他にも、押さえておきたい『夢見るシャンソン人形』を幾つか紹介します。

ジューシィ・フルーツのシングル『夢見るシェルター人形(シャンソン人形)』(1982年)は、戸田誠司がアレンジャーとしての力を発揮したアルバム『27分の恋』にも収録されたカヴァー曲。ちあき哲也が、核ミサイルでぶっ飛んでしまった地球を題材にした、曲調とは裏腹なアイロニー溢れる日本語詞を書いています。2001年12月にリリースされた『ジューシィ・フルーツTHE BEST』には収録されていませんが、
『ベスト・ソングス』には収録されているので、こっちで聴いてください。

不思議ちゃんの系譜でも紹介した泯比沙子が在籍した、ミン&クリナメンの再発アルバム『猿の宝石』(2002年)ではナゴム・レコード時代の『夢見るシャンソン人形』の2ヴァージョンが追加収録されています。

最近では、dollsというちょっと60年代モンドなデュオが『夢みるシャンソン人形』(2001年)をシングル・リリースしました。
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