ラリー・ティーのレーベル、Mogul Electroからは2001年に16曲入り『electroclash New York City Compilation』がリリースされています。
収録アーティストは:Fisherspooner / Momoryboy / A.R.E. Weapons / Morplay / Soviet / Badd Inc. & Tobell von Cartier / Khan / Bedroom Productions / Linda Lamb / Sneaky Peter & Crazy / Timmy / Robbie D. / Key Kommand / Tekgul / Mono Trona / Stalker 7 / Centuries / Rubber Handです。
同時に、ワールド・トレード・センターが破壊された翌月の10月に「ELECTROCLASH 2001」というツアーも行われています。現在、「ELECTROCLASH 2002」が行われている最中であり、このツアーやMogul Electroについてはエレクトロクラッシュの発信基地とも言えるELECTROCLASH.comにて報告されています。
NYCのエレクトロクラッシュの中心的存在は、ずばりFisherspoonerです。Casey Spooner(24歳)とWarren Fischer(42歳)が中心に多数の準メンバー(サイトにはコントリビューターとしてクレジット)がいるトータル・パフォーマンス集団だと言えます。
ヨーロッパでも人気となったシングル『Emerge』(2001年)は凄く出来たエレクトロクラッシュの代表曲ですが、ジャケ(2種類あります)を見ても分かるように、ジグ・ジグ・スパトニックの再来のような奴(Spooner)が出てきます。
エレクトロクラッシュのパイオニア的レーベル、GigoloそしてMinistry Of Soundからアルバム『Fisherspooner(#1)』(2001年)をリリース。硬質の洗練されたゲーリー・ニューマン的シンセ・サウンドを作っているのはFischerです。彼は現在42才で、ニューウェイヴ世代バリバリの現役だったはずです。Gigoloについては、また別途記事を書く予定ですが、現在のNYCのシーンはFischerspooner無しでは在りえなかったと思います。『electroclash New York City Compilation』にも収録の『15th』は、コリン・ニューマンが作ったWireの曲のカヴァーです。アルバムには、『Emerge』のヴィデオも収録されています。
そして、2002年9月25日にはMogul Electroからライセンスする形でmusic mine(ロマンポルシェ。も所属)から『Badd Inc. Luxury Excess Extravagance~Electroclash Compilation~』がリリースされました! 12インチ・シングルを中心に15曲が収録されており、前述のさらに粒ぞろいのエレクトロディスコ・ロボット・チューンが楽しめます。一曲目は、女性の悲鳴からはじまって、ちょっとびびりました。なお、ライナーの解説はおなじみ佐久間英夫。
収録アーティストは:Larry Tee / Avenue D / W.I.T. / Hungry Wives / Badd Inc. featuring Tobell von Cartier / Morplay / Prance / My Robot Friend / Jonny McGovern / Badd Inc. featuring Sophia Lamar / Spaulding Rockwell / Key Kommand / Dirty Sanchez / Gravy Train / Dr. Wondt & Perfection w/ Cashfloです。
前述のW.I.T.の『Ooh, I Like It』はTom Tom Club的脱力系エレクトロ・ディスコ。Avenue Dの『Do I Look Like A Slut?』は、『Blue Monday』と『That's The Way』を掛け合わせたようなヒップホップ的エレクトロ・ナンバーで笑えます。Morplayは、エレクトロクラッシュに捧げる『Electroclash Anthem』なんてやっています。