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「中華風ポップ」というのは耳慣れない言葉かもしれません。僕が勝手につけたのですから。「中華ポップ」ではありません。「中華ポップ」とは、文字通り香港、台湾、シンガーポール、中華人民共和国などの中華文化圏でのポップを指すのです。大きな括りでは、「アジアン・ポップ」ですね。
英語では、「チャイニーズ・ポップ」で、代表的なアーティストは、フェイ・ウォン、アイ・ジン、ヴィヴィアン・チョウ(この人、綺麗ですね)、サンディ・ラムとかですね。女性ばっかなのは、単に僕のバイアスです。男性では、高橋幸宏のプロデュースした孫耀威~Eric Suen(写真)やサンディーをプロデュースをしたDick Lee等がいます。
「中華風ポップ」とは、中国人でないアーティストによる西洋的解釈を元にした、中華風メロディー、コンセプト、歌詞、ヴィジュアルで構成されたポップ(又はロック又はディスコ)です。特に西洋のアーティストがそれをやる場合、東洋に対する大いなる誤解があったりします。日本的要素と中華的要素がごちゃ混ぜになる傾向があります。
『中国女(La Femme Chinoise)』『東風(Tong Poo)』『気狂いピエロ(Mad Pierrot)』と言えば、ファースト・アルバム『Yellow Magic Orchestra』(1978年)のB面収録のゴダール映画タイトル3部作として有名です。
『中国女』は、アルファの社長秘書フランス語ヴォイス入り。YMOが好きな理由は、テクノなのですが、やはりこの手の中華風に惹かれる部分も多いわけです。世界進出を前提としていたYMOによるこの西洋人から見た東洋的(=中華風)楽曲は多分に戦略を感じさせます。詳細は不明ですが、YMO関連の作品は再発間近みたいです。
僕と中華風ポップの出会いは、Mr. BIGの『麗しのザンビア』です。Mr. BIGと言いましても、現在も活動するアメリカのハードロック・バンドではありません。オリジナルMr. BIG又はMr. BIG (U.K.)とでも言いましょうか…。70年代中期に現れたイギリスのバンドです。現在ではニッチポップ的に扱われますが、ツイン・ドラムをフィーチャーしたポスト・クィーン的存在であったポスト・グラム~モダンポップ系バンド。
タイトルほどハードロックしていないファースト・アルバム『Sweet Silence(甘美のハードロッカー)』(1975年)にも収録の曲です。ザンビア自体はアフリカなのですが、メロディーは超中華風かつ美しい。でも、なぜか途中でツインドラムがハードロック的に爆裂します。セカンド・アルバムにも収録の『恋するロメオ』は、中華風でありませんが、モダンポップ史に残る美メロ曲。