テクノポップ/海外のテクノポップ

ルーツとしてのエキゾ歌謡(2ページ目)

テクノポップのルーツは「エキゾ歌謡」なり。エキゾ歌謡→マーティン・デニー→YMO。中澤姐さん、『蘇州夜曲』などをカヴァーしてエキゾ歌謡の女王となってください。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

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もともと、和風感と気品が漂う遊佐未森も、この7月10日に大正~昭和初期のモダン歌謡を中心にカヴァーしたアルバム『檸檬』をリリース。別に学生時代の音楽の先生に恨みはありませんが、こんな人が、僕の音楽の先生だったら、きっともっと音楽の授業を必死でやっていただろうな。『蘇州夜曲』『夜来香』(こちらは李香蘭)といった名曲をあの透き通る声で歌い上げてくれます。CDリリースと共に、ジャパニーズ・レトロな電脳雑誌「檸檬横丁」もスタート。

1999年の「サントリー烏龍茶のCM」でも元プリプリの奥居香がカヴァーしていました。他にも美空ひばりやEPOもカヴァーしています。

さて、ここで重要なポイントです。どっかで言っていましたが、初期YMOのコンセプトは、「クラフトワーク(=テクノ)meetsマーティン・デニー(=エキゾ) withジョルジオ・モロダー(ディスコ)」です。YMOのエキゾ感は、『Fire Cracker』に代表されるマーティン・デニーからの影響が強いわけです。マーティン・デニーのエキゾ感は、このメイド・イン・ジャパンのエキゾ歌謡の影響を多大に受けているはずです。

マーティン・デニー自体が、『蘇州夜曲(Soshu Night Serenade)』『シナの夜(China Nights)』等をカヴァー(『The Exotica 1/Exotica 2』に収録)しているわけですから。だから、短絡的に言ってしまうと、YMOに代表されるテクノポップのルーツのひとつは、エキゾ歌謡なり。

ヒカシューの巻上公一も、『民族の祭典』(1982年)というかなり不気味なカヴァー・アルバムを出していて、『桑港のチャイナ街』『イヨマンテの夜』等のエキゾ歌謡をカヴァーしています。『おゝブレネリ』では、ゲルニカ時代の戸川純と夢の共演をしています。
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