今年の1月9日に『玉石混交2ちゃんねる』という記事を書きました。そこで、「2ちゃんねるには、確かに多くの弊害があります。でも、弊害を取り除こうとすると、可能性を奪ってしまうと思います。キース・ヘリングの地下鉄グラフィティ・アートのようなものも、生まれるかも(あくまでも「かも」)しれません。」と書いたのですが、この「ムネオハウス」は、もしかすると、2ちゃんねるのキース・へリングなのかも知れません。
僕がムネオハウスを聴いたのは、確か3月後半です。聴いてすぐ、記事を書こうかと思ったのですが、ちゃんと聴いてないで記事を書くのはよくないと思って入るうちに、偉い騒ぎになってしまいました。テレビ番組に取り上げられたり(「宗男ラップ」という呼称は、結構ヒンシュクを買ったようですが…)、Yahoo! JAPANのカテゴリーができるまで、このムーヴメントが成長するとは、僕の予想を越えていました。この4月5日には、新宿ロフトプラスワンにて、「ムネオハウスパーティ」が開かれました。
事の始まりは、それほど昔でない2月14日に、2ちゃんねるテクノ板で、「アシッドハウス=ムネオハウス」という駄洒落スレッドが立てられた事から始まります。もっと、さかのぼれば、「友好の家」に対して「ムネオハウス」というキテレツな名前が通称としてついてしまった事です。誰がつけたのか知りませんが、このネーミングのセンスには絶句ものです。
上記文章、事実と異なる部分がありましたので、ここでお詫びと訂正を致します。
ちなみにアシッドハウスとは、80年代中頃にシカゴハウスから生まれたサイケデリックなハウス。その後ロンドンにも飛び火して、80年代末にマンチェスターのクラブ「ハシェンダ」等を中心に隆盛期を迎えたムーヴメントです。
そして、1週間後の2月21日には、最初の曲(『Intro』)が出来上がり、証人喚問があった3月11日の次の日には、ムネオハウスの定番とも言える名曲『MUNEO HOUSE』が生まれます。そして、3月13日には、ファースト・アルバム『THE MUNEO HOUSE』が完成。その後は、現在まで凄いペースで、ムネオハウスが複数の楽曲とレコード関連素材を製作するクリエイターによって、2ちゃんねるを基地として出来上がっています。4月6日時点で、10枚目のアルバム(ベスト・アルバムを除く)が完成しているようです。『THE MUNEO HOUSE』のプロモ・ビデオもお奨めです。
2ちゃんねるスレッド(【μ】MUNEO HOUSE【NEO】)も、凄い勢いで増殖中(現時点で2万超えている)なので、アルバムも含め、その全貌をつかむのは相当の時間と労力が必要です。とにかく、ファースト・アルバムをCD-Rにて製作して、ちゃんと聴いてみました。