ロシア構成主義は、当時のロシアにおける生産芸術の主流となり、ポスター(写真は、『PLAKATKUNST』というポスター・アート集)が重要な表現媒体となりました。ロシア革命後の国家建設の夢を背負って、実用性を重んじるデザイン志向が高い工業的なアートです。
現代におけるコマーシャル・アート(写真は、『ソヴィエトの商業デザイン』)のルーツと考えてもいいのでしょう。しかしながら、1930年代のスターリン体制によって抑圧を受け、国家のプロパンガンダの様式としての継続を余儀なくされ、その自由な発展は阻まれました。革命を称えた芸術が、革命によって生み出された共産主義により弾圧されるという皮肉な結果となるわけです。
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当時の日本においても、構成主義の影響を受けたデザインはあったようですが、ほぼ同時期に開花したアール・デコの影響の方が強かったようです。ただ、日本のアール・デコ(末続 堯・著『日本のアールデコ』)の中にも構成主義的要素は発見できます。
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クラフトワーク『Man Machine』(1978年)
「テクノ=構成主義」のイメージを作り上げた記念的作品。邦題は『人間解体』。原題からすると、人間と機械との融合というテーマのもとに、ジャケにおいてもその表現が構成主義によって至んなくされています。一見、ファシスト的なヴィジュアルによる皮肉った表現は、YMOも確実に受け継いでいます。
用心深いクラフトワークだけあって、カール・クレーフィッシュによるアートワークには「エル・リシツキーにインスパイアされた」とクレジットが入れられています。話は逸れますが、ハロプロのライヴで、『ロボット』がライヴ前にかけられているらしいが、その意図は?