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ミニモニ。はとても勢いがありますね。最近、暗い話題が多いですね。でも、『ミニモニ。テレフォン!リンリンリン』(写真左)を聴いていると「世の中なめているのか?」と思いながらも童心に戻ってしまう人たちも多いのでは? 一部では酷評する人もいたりしますが、この曲はお子様向けテクノ歌謡の系譜上にある実験度が高い意欲作ではないかと過大評価したりします。サウンド的にも各所に子供が好きそうなピコピコ系アレンジがされていますが、やはり携帯電話等を駆使した小道具へのこだわりにクラフトワークの『電卓』が脳裏によぎるのは僕だけではないでしょう。でも、子供はこういう事を思わないのでしょう。単に、あのサウンド、踊り、キャラクターに本能的に惹かれてしまうのでしょう。
「テクノは子供(この場合は赤ちゃん)に本能的に好かれる」という本質を見抜いていた偉い人がいます。60年代に既にポップの観点から電子音楽を実験したレイモンド・スコットです。彼は63年に『Soothing Sounds For Baby(赤ちゃんをあやす音楽)』(写真右)というタイトルで、まるで紙おむつのように赤ちゃんの成長期(0~6ヶ月、6~12ヶ月、12~18ヶ月)に合わせた3枚のシリーズをリリースしています。今でこそモンド系の文脈で評価され、驚きのCDリリースがされていますが、当時どれだけの人が評価していたかはかなり疑問です。
歴史は飛んで、80年代以降の日本です。テクノポップ・ブームで一般化されたテクノの手法を取り入れたお子様向けのテクノ歌謡も一般化します。佳作はYMO(当時小学生にもサインを求められて困っていたらしい)関連がやはり多いですね。
欽ちゃんファミリー系はテクノ歌謡の宝庫です。多分、皆さんもご存知の「欽ドン!」から生まれたイモ欽トリオの81年にリリースされた『ハイスクールララバイ』(写真左)はYMOをパロディー化したテクノ歌謡の金字塔です。一発屋的なイメージが強いですが、『ティアドロップ探偵団』に続いて83年にリリースされた『ティーンエイジ・イーグルス』(写真右)は隠れた名曲です。フツオは長江健二から二代目の後藤正(知名度低い)に交代。全てのシングルは、松本隆=細野晴臣のコンビによるものですが、この3作目はムーンライダーズの白井良明が編曲で参加しており、マニアも唸らせるサウンドです。