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J-POP研究~Part II モーニング娘。成功の9ケ条(2ページ目)

日本経済は絶不調、不況、景気低迷、デフレの真っ只中ですが、(株)モーニング娘。は、未だに絶好調。ヒット商品が出ても、アイドル産業は、特にその短命さが弱点です。にもかかわらず、1997年11月3日のデビュー以来、購買層を拡大し、株価は高値安定。その成功のモデルを解明することにより、不況脱出のヒントが隠されているのでは? 日本の社長さん?

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

その1:才能は育てる。
(株)モーニング娘。は、輝かしい経歴を誇る偏差値の高い集団ではありません。どちらかと言えば、磨かれたダイアモンドの原石(まだ原石の人もいますが、それはそれでいい)のような集団です。その原石を発見及び、強引に普通の石でさえもダイアモンドにしてしまうのがつんく♂社長の才覚なのでしょう。『LOVE論』における「あなたのいいトコ探します」の精神です。

厳しいトレニーングと競争原理の中で磨かれていく過程自体が、消費者の購買意欲をそそるという二重の効果を生み出しています。また、大所帯モーニング娘。課では難しい、個性の育成も後述の派生ユニットを活用する事により行ないます。プッチモニ課での市井、タンポポ課での石川、加護等はその好例でしょう。

その2:戦略変更のための流れを読む。
Kraftwerkのような生首ジャケの最後の7cmシングル『ふるさと』(これって、よく聴いてみると後世に評価されてもおかしくないとても変な名曲)は、鈴木あみの『BE TOGETHER』との対決に敗北を喫しました。

安部リード、哀愁系の路線では、1位を取れない事を悟ったつんく♂社長は、仕切り直しとして初期ヒット『抱いてHOLD ON ME!』を更に進化させたユーロディスコ歌謡『LOVEマシーン』で後藤真希という起爆材を使い、見事にメガ・ヒットさせます。皆さんもご存知のように日本の不景気という時代の流れも読みとったこの作品が、(株)モーニング娘。の急成長の転機となるわけです。

その3:パッケージは重要。
音楽産業界においてもパッケージ(ジャケとも言う)は購買意欲喚起のためには、とても重要です。いわゆるパッケージ買い(ジャケ買い)と言うエクストリームな購買行為をとる消費者もいます。ロック・ポップ部門では、視覚的に訴える意味でのその重要性が十分認知されていましたが、アイドル歌謡部門では、手抜きとも思われるアイドルのショットで終わってしまうものが多い傾向があります。

(株)モーニング娘。の商品パッケージにも、ちょっと手抜きと思わせるものもありますが、全体的にはレベルが高いと思います。その代表例は新生タンポポ課の『乙女 パスタに感動』と『恋をしちゃいました!』のパッケージです。ウィッグ(かつら)、お化粧、コスチュームと60年代ガールポップ風にキメた4人のショットは、楽曲のコンセプトに見事に表現したパッケージの模範。ジャケ上部の<-STEREO->もディテイルに対するこだわりを感じます。アルバムが楽しみです。
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