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J-POP研究~Part II モーニング娘。成功の9ケ条(4ページ目)

日本経済は絶不調、不況、景気低迷、デフレの真っ只中ですが、(株)モーニング娘。は、未だに絶好調。ヒット商品が出ても、アイドル産業は、特にその短命さが弱点です。にもかかわらず、1997年11月3日のデビュー以来、購買層を拡大し、株価は高値安定。その成功のモデルを解明することにより、不況脱出のヒントが隠されているのでは? 日本の社長さん?

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

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その7:セレンディピティによる革新。
セレンディピティ(serendipity)とは、ペルシアの寓話を語源にする「運良く発見したもの」という意味です。今では一般常識となったモーニング娘。の「。」の活用ですが、そもそも、これはナインティナインの矢部の勘違い(決め付けた矢部の才覚?)がもとです。商品にとってブランド名は命です。「。」自体が今や(株)モーニング娘。所属の娘たちのトレードマークとなり、チェキッ娘等の同類の商品との差別化を象徴となっています。「。」のユニット名に対する初めてですが、Ultravox!やyes, mama ok?等が先駆者でしょうか?

『恋のダンスサイト』における後藤真希の予定外のしゃべりも、曲のアクセントとして効果的に活用しています。セレンディピティは、革新を生み出す重要な要素です。しかし、偶然だけではダメです。偶然から生まれた光るものを発見する能力が問われます。

その8:アウトソーシングの積極的活用。
(株)モーニング娘。のほとんどの曲は、つんく♂社長の作詞・作曲とクレジットされています。いくら敏腕プロデューサーのつんく♂社長も、編曲は外注(アウトソーシング)に頼っています。その道を極めたタイプの編曲家は、楽曲の完成度を左右していると言っても過言でないでしょう。主な外注先は前嶋康明、ダンス☆マン、河野伸(元SPANK HAPPY)、小西貴雄、松原憲、永井ルイ(RUI’S HIPSLIPS)、渡部チェル等。

その9:積極的な人材流動。
どんなヒット商品も、その人気を長期にわたって維持し続ける事は至難の業です。時代の空気を鋭く読み取り、商品の改良が必要です。特に入れ替わりと競争の激しいアイドル産業界において、商品サイクルはさらに短く、いとも簡単に今年のINは来年のOUTになってしまいます。多分予定以上にメンバーが目まぐるしく変わったモーニング娘。課ですが、それを活力源として商品の価値を高めていったと言えるでしょう。

当然、市井がいなくなったから、俺はもうモー娘。ブランドのロイヤル・ユーザーはやめたと言う人がいるとでしょうが、マイナスを無くす努力より、プラスを最大限にする積極経営が、功を奏しているといえるでしょう。中澤定年退職の次は、何が起こるかというのもユーザーの関心を集めます。終身雇用、年功序列といった日本の雇用制度も、人材流動の必要性が問われています。

全然、テクノポップと関係ないじゃないかとか、アイドルのガイドにいつからなったのだとお叱りを受けそうですが、KraftwerkもUltravox!も出てきたので許してください。
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