〔2003年7月15日改訂〕
アメリカにLexicon Magazineというニューウェイヴ~シンセポップを専門とした雑誌があるのですが、時々一緒にCDサンプラーが付いてきます。そのサンプラーに収録されていたNASAの「Back To The Square One」という曲を聴いて、完全にノックアウトされました。タイトルからも想像できる、ヴォコーダーとシンセを駆使した懐かしい未来的(レトロ・フューチャー)超ポップ・チューン。
この曲を収録したアルバム『Remembering The Future』は、スウェーデンのレーベルMomento Materiaと先述のLexicon MagazineのDivisionであるNinethwave Recordsからリリースされています。MP3.comでも聴く事が出来ますので、ぜひお試しください。Listening is believing!
NASAというバンド名をそれまで聞いたことがなかった僕は、てっきり90年代以降に現れたネオ・シンセポップ系の若い人達だと思っていました。新しいバンドにしては、円熟味のある凄く練られたサウンドを構築できる凄い奴らだ。Close Upにも登場したNew Musikのサード・アルバム『WARP』(Judy And Maryではないですよ)の2000年版と言っても誉めたり無い、マスターピース。聴いたテクノ好き仲間が、全て絶賛する。
調べていくと、Patrik HenzelとMartin Thors(Jonas Zachrissonも過去に在籍)からなるNASAは、1983年にデビュー・シングル『Paula』がスウェーデンのトップ10チャートにもランクインした超ベテランと判明。Momento Materiaから1998年に『Echoes Down The Hall』という80年代の軌跡を辿るベスト・アルバムがリリースされています。
このベスト・アルバムには収録されていませんが、『The Bird』というシングルのB面で、バグルズの『想い出のエルストリー』のカヴァーをしています。バグルズのカヴァーは多いですが、これを選ぶのは渋い。
NASAと同じ編成ですが、Henzel & Thorsというユニット名でアルバム『Musik』(1989年)もリリースしています。全てスウェーデン語で歌っています。
二人とも、90年代はNASAとして主だった活動をしていませんでしたが、Partikはコマソン関係の仕事をしており、その間に蓄積したソングライティングの向上が11年のブランクを経て一気に爆発したようです。Nasa – In The Mist of TimeというNASAのファン・サイトもあります。cdstreet.com、Amazon.com(Emerging Dance & DJ General Chartにて2月に1位を獲得)、CD NOW、A Different Drum等で購入できます。
日本でも、ボーナス・トラックを入れてのリリース、そして来日コンサートなんて実現すれば、夢のようなのですが。
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